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加齢により成長因子の受容体が減る

EGFやFGFの効果が思ったように出ない理由

日本メナード化粧品は、藤田医科大学医学部応用細胞再生医学講座及び皮膚科学講座

と共同で、幹細胞が皮膚を再生するために必要な成長因子の受容体が、

加齢にともない減少していることを発見しました。

 

まあ、言われてみれば、当然そうなんだろうなー

とは思いますが、意外に見落としがちな事実ですね。

 

加齢と共にEGFなどの成長因子が減ることは知られています。

減っているなら、補えばよいじゃんってことで、化粧品などで

使用されているわけですが・・・

正直、思ったような効果がでないのは、受容体も減っているからという

不都合な事実を突きつけられたわけです。

 

 

細胞には受容体が存在しており、その受容体は特異的となっています。

EGF受容体はEGFしか受け付けませんし、FGF受容体はFGFしか受け付けません。

 

これらの受容体は細胞膜に存在しているわけですが、

60代ですでに受容体の産生は著しく低下します。

 

おそらくは成長因子の減少にともない、受容体もそれに見合った数に

調整されているのだと思われます。

老化させるための1つのメカニズムであるとともに、

ガンの増殖を抑制するという防衛的な側面もあるのかと思われます。

 

実際に、若齢者の細胞と高齢者の細胞に成長因子を与えて培養した結果、

反応性に顕著な差が出たってなデータが示されています。

EGFに関しては、ほとんど細胞増殖の変化がないといった状況でした。

 

つまり、成長因子系を詰め込んだ化粧品ってのは、

高齢であればあるほど、効果は薄くなるということ。

成長因子関連は価格が高いので、それらをたくさん使えば

商品も高額になるのは必然で。

それが意味がなかったって話ですから、残酷な事実といわざる負えないです。

 

で、成長因子を補う前に、受容体を増やす必要性があるってのはわかるんですが、

じゃあ、どうすればよいの?ってところは今後の課題ってことで終わってます。

 

ちょっと調べてみましたが、受容体を増やそうって発想自体があんまりなくて、

そもそも受容体が減るとは思っていない節があります。

ですので、受容体を増やす成分なんてものは見つかっていません。

まあ、受容体を阻害するようなものはいっぱいあるんですけどね。

 

軽いパラダイムシフトが起こるかもなーという研究結果だと思います。

受容体を増やせるようなものが見つかれば、成長因子関連の市場が

活発になるかもね。

 

 

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