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※セラミドは保湿成分


ヒト角質セラミドの割合


セラミドの割合
                                                      セラミドの割合

New acylceramide in native and reconstructed epidermis.

(J Invest Dermatol. 2003 Apr;120(4):581-8. )

 

セラミドの割合はセラミド2が一番多く、約20%

では、セラミド2を補うのが一番よいかというと、そうでもないわけです。

加齢によるセラミドの減少

セラミドの減少

 

加齢に伴い、セラミドが減少していきます。

セラミドに限らず、コラーゲンやヒアルロン酸でも

同じように右肩下がりのグラフになります。

セラミドの減少に伴い、バリア機能の低下、保湿力の低下が起こり、

結果として、肌老化や肌トラブルにつながります。

 

だからこそ、セラミドを外から補いましょうということになるわけです。

幸い、コラーゲンなどと違い、角質層に届けばOKなわけです。

浸透の注意書きで「角層まで」との言葉はよく見ると思います

 

 

加齢に伴い、減少が激しいセラミドは、

セラミド3セラミド6であると言われます。

Age- and sex-dependent change in stratum corneum sphingolipids.

(Arch Dermatol Res. 1993;285(7):415-7. )

 

正確には、セラミド3、セラミド6は20代までは多く、

年齢を重ねる後とに、激減し、

 

セラミド1は10代は少なく、20代から増加傾向にあるといっています。

アトピーが大きくなれば治る可能性が高いのは、そのためかもしれません。

 

セラミド2は年齢とともに徐々に減る傾向にあるともいっています。

アトピーとセラミド

Changes in the Ceramide Profile of Atopic Dermatitis Patients

Journal of Investigative Dermatology (2010) 130, 2511–2514)

アトピーと健常者のセラミドを比較した論文です。

 

アトピーの疾患部

アトピーの非疾患部

□健常者

 

アトピーはセラミド1が不足しているからと言われます。

確かに、比較すると少ないわけですが、それ以上に、

セラミド3とセラミド8の差が激しいです

 

また、アトピーの疾患部のほうが、セラミド5が多いという結果になっています。


脂肪酸の炭素数からみた角質セラミドの割合


脂肪酸の炭素数からみた角質セラミドの分布

脂肪酸の炭素数により、セラミドのバリエーションが増えているわけですが、

脂肪酸の炭素数による分布を示したのが上図です。

 

炭素数が多い=長鎖脂肪酸であり、

これは肌にあるセラミド特有のものです。

 

セラミドと保湿

C16、C18など脂肪酸の短いものの割合が増えてくると、

肌の保湿力とバリア性は著しく低下します。

 

 

セラミドと保湿

逆に、C20、C24の割合が増えれば、

肌の保湿力、バリア性は上がります。

 

セラミドの数字も大事ですが、

そのセラミドを構成する脂肪酸の炭素数はとても重要。

 

 

参照論文は

Relation-ship between cutaneous barrier function andceramide species in human stratum corneum.

Journal of dermatological science (2010)60 (1): 47-50)  

 

長鎖脂肪酸

こちらは正常肌と、アトピー肌のセラミドの差を

脂肪酸の炭素数で比較したものです(マウスでの結果)

 

正常肌ではC24、C26の長鎖脂肪酸が多いのに対、

アトピー肌はC16の短鎖脂肪酸が極端に増えています。

 

このことから、長鎖脂肪酸セラミドの低下が、

肌トラブルの原因になっていることが示唆されました。

 

ちなみに、天然ヒト型セラミドは

C24以上の長鎖脂肪酸セラミドが60%を占めています。

(C20以上なら85%以上になります)