セラミドをたくさん入れるには大量の界面活性剤が必要?

そんなことはないんですけども・・・

誰が言ったのかは定かではないのですが、

セラミドを高配合するには、界面活性剤も高配合する必要があると。

結論からいえば、正しくもあり、間違ってもいるってところか。

 

セラミドを溶解するにはそれなりの技術力が必要となりますので、

多くの場合は水溶性にしたセラミド溶液を使用します。

その溶液には界面活性剤が含まれています。

だいたい10%前後です。

 

つまり、セラミドを高配合する=セラミド溶液を高配合するってことになると、

配合量に比例して界面活性剤の量が多くなるわけ。

推奨量で使えば、気にする必要がないのですが、

度を越えて配合すれば、界面活性剤の影響は出てくるってわけ。

 

ただ、界面活性剤を一切使わなくてもセラミドを配合することはできます。

オイルなら比較的容易に溶かすことができます。

もちろん、コツがあるので知らなければ、オイルにも溶けないんですけどね。

 

ですので、オイル100%であれば、界面活性剤フリーでセラミドを溶かせます。

水分が入ってこれば、乳化のために界面活性剤が必要になりますが、

これはセラミドがあろうがなかろうが必要なもので、

セラミドを溶かしているから余分に必要だってことはないです。

 

まあ、要するにセラミドを溶解させるには界面活性剤よりも

油が必要だって話なのです。

特にセラミドが溶けやすい油剤なんかもあるので、

それらをうまく活用しているってところは技術力、開発力が高いといえるでしょう。

 

逆に油剤なしの場合、どんだけ界面活性剤いれようとも、

セラミドを溶解することはできません。

 

やるとすれば、ゲル化剤と分散剤を使って、セラミドを均一に分散させる

って方法があります。酸化チタンなど水に一切溶けないものに対して

行う方法を応用するわけですね。

 

特許の兼ね合いで、普通はやれないのであんまり関係ないですけど。

 

正直、乳化に使う界面活性剤が多いからといって、

必ずしも悪いというわけでもないけどね。

 

弊社の話をすると、ナチュセラクリームは乳化を水添レシチンのみで

行っています。

水添レシチンは二重膜構造を構成します。リポソーム化する時に使われます。

水添レシチンだけで乳化するってのは非常に難しいことなんですが、

セラミドを高配合しているからといって、特にたくさん入れているってことはないです。

当然、油分がそれなりにあるので、セラミドを溶解するのに特別なことは

必要ないわけです。

 

ナチュセラ極は溶解済みのセラミド原料を大量に投入しているわけですが、

界面活性剤の量は1%未満です。

 

何が言いたかったかというと、セラミドを溶かすのに界面活性剤が

たくさん必要だとしたり顔でいっているのは、だいたいにわかだってことです。

 

 

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