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レチノイン酸ヒドロキシピナコロン

次世代レチノール

最近話題のレチノール誘導体、レチノイン酸ヒドロキシピナコロン

について調べてみた。

なんでも、レチノイド反応がでないけど、レチノールと変わらない

働きをするとかなんとか。

 

原料の製品名はGranactive Retinoid(グラナクティブレチノイド)

表示名はジメチルイソソルバイド、レチノイン酸ヒドロキシピナコロン

レチノイン酸ヒドロキシピナコロンは10%配合されているとのこと。

 

レチノール誘導体は肌で何かしらの反応を受け、

レチノールと何かに分けられます。

レチノールはADH(アルコール脱水素酵素)によって、

レチナールに変換され、レチナールが酸化することで

レチノイン酸となります。

 

このレチノイン酸が肌に良い効果を出すのと同時に、

レチノイド反応を起こす原因となります。

 

レチノイン酸ヒドロキシピナコロンはこの反応系の影響を受けません。

つまり、分解されません。

このままの状態で、レチノイド酸と同様の作用を引き起こせるとのこと。

 

細胞にはレチノイン酸受容体(RAR)ってのがあって、

細胞の分化や細胞分裂の制御をしています。

要するに、RARにレチノイン酸がハマると反応が始まるってわけ。

レチノイン酸ヒドロキシピナコロンはRARにハマることができ、

レチノイン酸と同じ反応を引き起こせるってわけさね。

 

レチノイン酸でないので、レチノイド反応はでないけど、

レチノイド酸と同じことができるということで話題となっているわけ。

 

従来のレチノール誘導体は、レチノールよりも刺激は少ないけど、

効果は劣るのは、レチノイン酸に変化する割合が低いからで、

まあ、刺激を抑えると効果も低くなるという、ジレンマがあったわけです。

極論をいえば、レチノイン酸を直接使うのが一番効果が高いですが、

刺激は一番高くなります。

 

そのジレンマを解消した原料ってのが原料メーカーの主張。

 

 

一応、論文が出ているのでご紹介。

Antiaging effects of retinoid hydroxypinacolone retinoate on skin models

 

in vitroの実験で、転写RNAを見たものになるので、

実際にどの程度効果があるのかはこれからはわからんってのが正直なところ。

まあ、レチノイド反応はでないってのは間違いないかと。

 

ちょっと気になるのは、受容体に直接作用するってとこかな。

受容体にハマって、反応を起こしたり、止めたりするものって、

その受容体を空けないといけないわけですよ。

 

ここではレチノイン酸がレチノイン酸受容体に入り、

反応を促したあとは、レチノイン酸が何かしらの形で、

分解されるはずなんですが・・・

レチノイン酸ヒドロキシピナコロンはその酵素が効くのか?

 

まあ、ヒト試験のデータが見当たらないので、

純粋レチノールよりも効果が高いってことはないかなー

とは思います。

レチノールも結局はレチノイン酸となるわけですから、

大きな差はないと考えるのが無難かな。

 

ただ、酵素の影響を受けるってことは、酵素活性が低い人、

つまり、体温が低い人はレチノイン酸ヒドロキシピナコロンのほうが

効果が高くなると思われます。

 

体温が1℃下がると、代謝は50%低下するといわれます。

それは酵素の活性が落ちるから。

 

 

 

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