個人的に苦手
石けんシャンプーってのは、まあ石けんなんだけど、
厳密には鹸化によってできる界面活性剤を洗浄剤としている
シャンプーのことです。
油にアルカリを混ぜて反応することで、脂肪酸+アルカリとなったものができます。
水酸化Naで反応させれば、脂肪酸Na、
水酸化Kで反応させれば、脂肪酸Naとなります。
脂肪酸がステアリン酸であればステアリン酸Na、リノール酸であればリノール酸Naとなります。
で、こいつらはアルカリ性でないと泡立ちません。
ですので、石けんはアルカリ性であり、石けんシャンプーも同様です。
困ったことに、髪にアルカリが触れると、キューティクルが開くんよ。
![](https://image.jimcdn.com/app/cms/image/transf/none/path/s3b67276d0eccefb9/image/id1015d30d78f252d/version/1622184870/image.jpg)
キューティクルってのはケラチンタンパク質で、髪を守っている
鎧のようなものです。
キューティクルとキューティクルの境界には細胞膜複合体(CMC)が存在し、
これによってくっついています。
CMCは糊みたいな役目をしているわけ。
アルカリ剤はこの結合を緩める作用があるわけです。
これを利用して、ヘアカラーはアルカリ剤でキューティクルを開き、
色素を髪の中へと浸透させます。
だから、髪染めた後は髪の調子が悪くなるわけ。
幸い、開いたキューティクルは酸性剤で閉めることができるので、
通常は酸性リンスとセットで使用することになります。
ただ、このpHの大きな移行を繰り返すってのは髪への負担が大きい。
正直、私も石けんシャンプーなめてた時がありました。
石けんで髪洗うのと一緒でしょ?大丈夫、大丈夫。
と安易な気持ちで使ったら、まあ大変。
髪がパッサパサになって、今までできたことない枝毛が
大量発生するという事態に。
それがトラウマで、石けんシャンプーは使えないです。
それはさておき、なぜかわからんけど、石けんシャンプーを売っているところの
共通の謳い文句があるんです。
「最初は髪がきしむかもしれない。でもそれは髪本来の姿に戻ろうとしているだけ。
使い続ければよくなる」
的なことをだいたい言ってます。
なんなんでしょうね・・・
間違いなく、キューティクルが開くわけで、そんなわけがないのですが、
仮にそう感じるとして、なぜそうなるのかってのを推測してみようかなと。
![](https://image.jimcdn.com/app/cms/image/transf/none/path/s3b67276d0eccefb9/image/i851d51f7136b696b/version/1622189996/image.jpg)
1つは、めくれ上がったキューティクルが摩擦等で削られてしまうという可能性。
引っかかりがなくなるってのと、開くキューティクルがなくなるので、
石けんシャンプーによる影響がなくなるのではないかと。
まあ、髪はもろくなって切れやすくなるんですけどね。
髪から成分が垂れ流し状態となっているので、パサつきも解消されないかな。
もう1つは、コーティング剤で覆ってしまう方法。
シリコンが確実ですが、おそらくそんな露骨なものを使うことはないでしょう。
まずノンシリコンも一緒に謳ってるし。
なにか別のもので、物理的に被膜することで、誤魔化すことが可能です。
まあ、両方同時に組み合わさって、起こりえる現象なんじゃないかなー。
個人的にはどんだけ使っても、髪が痛むだけだと思っていますけども。
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