エモリエント作用

肌が柔らかくなる効果!?

油には肌を柔らかくする効果があるといわれますが、

それって、何がいいの?というご質問がありました。

 

いわゆるオイルと呼ばれているもの、オリーブオイルとか、アルガンオイルとか・・・

に限らず、基剤で使われる油剤、まあ、クリームとかの水の多い、見慣れない名前のやつですね。

 

これらの効果を調べると、『エモリエント作用』とだいたい書いてます。

なんやねん、エモリエント効果って?

そう思って調べると、肌が柔らかくなる効果だと書いてあります。

 

正直、あんまりピンッとこないですよね。

油塗ると肌が柔らかくなるってのもイマイチよくわからんし、

肌が柔らかくなるってのもよくわからん。

 

 

で、結局、エモリエント作用ってのは、どのようなメカニズムかというと、

油ってのは、被膜作用があるわけです。

このオイルの膜によって、水分の蒸発を防ぎます。

結果として、肌水分量が増えます。

 

水分が多いってことは、柔軟性が増すわけです。

 

乾燥した大地はひび割れ、脆い状態ですが、雨が降ればその状態が解消されます。

まあ、それと同じことです。

 

膜張る⇒水分逃がさない⇒肌の水分量増える=肌柔らかくなる

ってのがエモリエント作用になります。

 

ですので、スキンケアの最後は油で蓋をしろっていわれるのは、

そういうことです。

 

肌が柔らかくなるといわれますが、言葉通りに肌が柔らかくなるって

訳ではないんですわ。

 

このエモリエント作用ですが、通常は皮脂がこの役割を担っています。

ただ、皮脂の水分の蒸発を防ぐ効果は、全体の2割程度と言われいます。

残りの8割はセラミドが担っているわけです。

 

つまり、結局はセラミドが大事ってな話です。

まあ、セラミドにエモリエント作用があるってことは言いませんけどね。

 

 

実際問題、油で肌が柔らかくなるっての訳ではないといいましたが、

もっと直接的に肌を柔らかくする成分があります。

 

それが『尿素』になります。

 

尿素は天然保湿因子の1つでもあり、それ自体に保湿作用があるわけですが、

尿素には角質層を構築しているケラチンタンパク質の結合を緩める作用があります。

まあ、簡単にいえば、タンパク質を溶かすってことです。

 

それがいいのかどうかって話ですが、あんまりよろしくはないので、

顔に使うものには尿素配合のものは少ないです。

ハンドクリームには多いですけどね。

 

ただ、ターンオーバーが上手くいっておらず、

古い角質層がいつまでも滞在しているって状態であれば、

尿素は緩いピーリング効果が期待できるので、有効です。

 

もちろん、常用するってのは望ましくはないですが。

 

 

【関連記事】

ピーリングの功と罪

天然保湿因子(NMF)

<<<前               次>>>