PDRNはDNAの断片
PDRNはpolydeoxyribonucleotideの略称で、
デオキシヌクレオチドの重合体を意味します。
DNAの最小単位がヌクレオチド(上図)になるのですが、
糖がデオキシリボースだとデオキシヌクレオチドになり、これがDNAになります。
糖がリボースだとリボヌクレオチドでこちらはRNAとなります。
つまり、デオキシヌクレオチドってのはDNAの最小単位を示し、
それがポリ(重合)しているものがPDRNってわけです。
デオキシヌクレオチドが13~16個連なっているものを使用しているそうな。
鮭の精巣から抽出したものなので、サーモン注射と呼ばれています。
そう、注射なんですよ。
美容医療としてサーモン注射をすることで、傷の治りが早くなるといわれています。
作用機序として、アデノシンA2A受容体の活性化とDNA合成のサルベージ経路の
2つの作用機序が存在します。
アデノシンA2Aは受容体細胞膜上に存在するGタンパク質共役型受容体の一種です。
この受容体が活性化されると、細胞内のセカンドメッセンジャーである
サイクリックAMP(cAMP)の濃度が上昇し、プロテインキナーゼA(PKA)が活性化されます。
これによって炎症の抑制と細胞増殖が促進されて、傷の治りが早くなるというわけです。
サルベージ経路とは簡単に言えばDNA修復のことで、PDRNがヌクレオチドに分解されて、
それがDNAの素材となって、DNAのダメージ部を修復する時に使われると考えられています。
つまり、PDRNは伝達物質とDNAの原料供給という2つの役目があると考えられています。
正直な話、サルベージ経路に関する影響は注射で入れる量では影響は些細なものだと
思われるので、アデノシンA2Aの活性化のほうが主な作用機序であると思われます。
では、塗布ではどうなるのか?
多細胞生物には遺伝子を取り込むって機能はありません。
単細胞生物にはあるんですけどね。
例えば、大腸菌には環状DNAと本体とは別の遺伝子をもっており、
外部の遺伝子をそこに取り込むことで生存競争を有利にすることができます。
食中毒を起こすO-157は赤痢菌が作るベロ毒素の遺伝子を取り込んだ大腸菌なのです。
しかし、多細胞生物では違う遺伝情報を持ったら、異物となります。
ガン細胞も元の細胞と遺伝情報はほとんど同じなのに、一部が変化しただけで
生体への脅威となるわけです。
要するに、外部からの遺伝情報は基本お断りなわけ。
また、遺伝情報を持ったものはウイルス、細菌などとなります。
基本的には受け付けないもので、肌はこれらから身を守るための盾なのです。
そういうわけで、遺伝情報をおいそれと肌に入れないような仕組みとなっています。
アデノシンA2A受容体に結合すれば、同様の効果を発揮するはずですが、
その場合PDRNではなくて、アデノシンでよいわけ。
アデノシンはアデノシンとリボースからなるヌクレオチドで、
ATPの素になります。
韓国コスメではツボクサエキスと同じくらい、だいたい入っている成分です。
韓国では機能性化粧品のシワ改善成分として濃度0.04%での配合が認められているのですが、
ヒト試験のデータは今のところありません。
アデノシンのほうが浸透性は高いですし、割と頻繁に使われているのに
効果が確認されていないわけで、なんでPDRNが効くと?
そもそも、真皮までPDRNは浸透しないわけで。
また、肌にはDNA分解酵素は存在しません。
ですので、サルベージ経路での効果も期待できません。
最後に経口投与の話を。
基本、核酸って生き物を食べれば摂取できます。
肉、野菜、果物をはじめ、発酵物でも摂取できます。
ですので、基本的には不足するってことはないです。
わざわざサプリで取る必要性はありません。
ヨーグルトでも食ってれば事足ります。
死菌の乳酸菌にも核酸は含まれていますから。
消化吸収の過程でヌクレオチド、もしくはそれよりもさらに分解されて吸収されます。
で、体内で再合成されます。
つまり、PDRNの状態では吸収されることはないです。
注射でPDRNを入れるってのは、通常ではあり得ない状態を作れるから
有効性があるのだと思われます。
注射でわざわざ摂取しているのは、それ相当の意味があるってわけ。
塗って同じ効果があるわけないのですよ。
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