セラミドの経口投与による紫外線のダメージ軽減
三重大学大学院地域イノベーション学研究科と辻製油株式会社らの共同研究によって、
経口摂取したとうもろこし由来のグルコシルセラミドが紫外線B波(UVB)によって引き起こさ
れる皮膚の色素沈着や表皮構造の乱れを抑える可能性を明らかにしました。
Oral ceramide attenuates ultraviolet B-induced epidermal dysregulation and
hyperpigmentation by modulating MITF signaling and barrier-related pathways
本研究では、6 週齢の HRM-2 マウスを、非照射対照群、UVB 照射群、
UVB 照射+低用量セラミド群、UVB照射+高用量セラミド群に分けました。
4つのグループに分けたわけです。
セラミド投与群では、UVB 照射開始 7 日前からセラミドを 1 日 1 回経口投与し、
2 週間の UVB 照射期間中も投与を継続しました。
セラミドの投与量は書いてないのでわからん。
その結果、UVB 照射により背部皮膚のメラニン沈着、表皮肥厚、角質層肥厚が
顕著に誘導されました。
一方、経口セラミド投与群ではこれらの変化が軽減され、とくに高用量群でより明瞭な
軽減が認められました。
また、皮膚水分量が有意に高くなりました。
次に、色素沈着に関わる分子機構を調べるため、MITF の免疫蛍光染色と
メラニン産生関連遺伝子の RT-qPCR 解析を行いました。
MITF(小眼球症関連転写因子)はメラノサイトの分化、増殖に関わる
転写因子になります。
UVB 照射によりMITF 陽性細胞が増加しましたが、
経口セラミド投与により MITF陽性細胞数は減少しました。
また、Tyrp1、Mc1r、Mitf などのメラニン産生関連遺伝子の発現も抑制されました。
さらに、RNA-seq 解析により、経口セラミドが UVB によって生じた皮膚の遺伝子発現変化
を広く調整することが分かりました。
分子経路解析では、UVB で活性化された角化関連経路がセラミド投与により抑制され、
RAR シグナルや創傷治癒関連シグナルが回復方向へ変化することが示されました。
マウスによる動物実験においても、遺伝子レベルでもセラミドの有効性が示唆された
ってことです。
従来から言われていたセラミドによるメラニン産生抑制効果だけでなく、
紫外線によるダメージを角化、バリア機能、修復応答など幅広い調整に関わっている
ことが示唆されたというわけ。
トウモロコシ由来のグルコシルセラミドの経口投与の有効性として、
1.2~1.8mg/日でバリア機能の改善効果が確認されていましたが、
今回は飲む日焼け止めとしての効果が示唆されたって話です。
パイナップル由来のグルコシルセラミドに、同様の効果が確認されており
(こちらは新規のポリフェノールが関係しているとされていますが)
トウモロコシ由来のセラミドにもあったと。
メラニンの産生を抑制するだけではなくて、紫外線によって受けたダメージを
抑えたり、ダメージからの回復を促す効果もあって、思っている以上に
飲む日焼け止めとしての効果があるかもしれないってね。
セラミドのサプリメントって沢山ありますが、
意外と恩恵は大きいのかもしれないですね。
おそらく、今後はヒト試験でのデータと集めて、機能性表示食品として
「美白効果」を謳ったものを作ることを目指すんでないかな。
パインセラミドではすでに機能性表示食品となっていますからね。
それに続く形になると思われます。
【関連記事】
<<<前 次>>>
