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グルコサミンがアルツハイマー病を進行させる

色々と語弊がありそうな

グルコサミンがアルツハイマー病を悪化させるという内容の論文が発表されたのですが、

グルコサミンのサプリメントは認知症になるから飲まないほうがよい・・・

というほど単純な話ではないです。

 

まず、いくつかのバックグラウンドを知っておかないといけないのですが、

英国バイオバンクのデータを用いた研究では、習慣的なグルコサミン利用者は

全認知症で 16%、アルツハイマー病で 17%、血管性認知症で 26%のリスク低下を示したとの

統計学的データが存在します。

 

一般的にグルコサミンを摂取することは、認知症のリスクを軽減すると言われていたわけです。

グルコサミンが血液脳関門を通過できるので、脳へ何かしらの影響があると考えられています。

血液脳関門は、有害物質が脳内へ侵入するのを防ぐための関所のようなものです。

 

グルコサミンは血中にのって脳へ届けられるという事実があると。

 

で、今回の話は統計学的に年齢や性別、生活習慣などの影響を調整した後でも、

グルコサミンを摂取していた軽度の認知症患者は、グルコサミンを摂取していない患者より

認知症へ進行するリスクが約25%高いという結果が得られました。

さらに認知症患者群では、グルコサミン摂取者の死亡リスクも約25%高いことが示されました。

 

つまり、認知症の気がある人がグルコサミンを摂取していた場合、

認知症の進行が早まるリスクがあり、死亡リスクも跳ね上がる可能性が示唆されているわけ。

 

 

健常者がグルコサミンを摂取することは認知症のリスクを高めるということはなく、

むしろリスクを減らす効果があるのですが、認知症患者がグルコサミンを飲むことは

危険であるというわけ。

 

 

なぜ、グルコサミンが認知症の悪化を招くのかというと、認知症、とくにアルツハイマー症では

脳内で過剰な糖鎖修飾(ハイパーグリコシレーション)が起こっていることが明らかとなっています。

糖鎖修飾とはタンパク質や脂質に糖鎖をくっつけること。

 

グルコサミンがこの過剰糖鎖修飾を促すため、認知症の進行が早まるというメカニズムになります。

逆に過剰糖鎖修飾を行っている酵素の活性を阻害することで、認知症の改善が見られます。

 

 

N-アセチルグルコサミンはどうなのか?って話ですが、こちらも話が簡単ではなく・・・

N-アセチルグルコサミンは脳内のタンパク質修飾(O-GlcNAc修飾)に関わり、

アルツハイマー病の原因となるタウタンパク質の異常な蓄積を抑制する可能性が示唆されています。

 

アルツハイマーの原因として、一般的に言われているのが異常タンパク質の増加が挙げられており、

N-アセチルグルコサミンの糖鎖修飾は異常タンパク質の蓄積を抑制するといわれています。

平たくいえば、アルツハイマー症の予防効果があると。

 

一方で、バイセクト糖鎖というのがあって、これはN-アセチルグルコサミンが余分に

修飾された糖鎖のこと。

アルツハイマー症ではバイセクト糖鎖が増殖するとのことで、

バイセクト糖鎖をつくる酵素GnT-IIIを無力化することで、

症状の改善が見られたとか。

 

O-GlcNAc修飾は認知症の進行を止める役割があるということが分かっていますが、

一方で認知症ではバイセクト糖鎖の修飾が増えると言われているわけです。

 

これは認知症の進行を止めるO-GlcNAc修飾にさらにN-アセチルグルコサミンを

修飾することで、その機能を停止されていると考えられます。

つまり、認知症はバイセクト糖鎖をつくる酵素GnT-IIIが増やすことで

O-GlcNAc修飾を無力化しているというわけ。

 

もはや何を言っているのかわからないかもですが、N-アセチルグルコサミンは

認知症の進行を止めるためには必須なものですが、認知症が進行してしまうと

機能しなくなるということです。

 

まあ、どちらも脳内のバグであり、グルコサミンやN-アセチルグルコサミンが

直接の原因ではないって話。

また、両方の話は別々の事象ではなくてリンクしていると思われます。

 

 

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