クロマチンの乱れを正す酵素
イスラエルのバル=イラン大学やアメリカ国立老化研究所などに所属する研究者らが
Nature Communicationsで発表した論文
SIRT6 overexpression counteracts chromatin aging in the male murine liver
訳すと「SIRT6の過剰発現している雄マウスは肝臓でクロマチン老化が抑制された」
クロマチンって何?
クロマチンは簡単に言うと、DNAが巻き付いているタンパク質のこと。
DNAは紐状になっているので、そのままだと絡まったりするので、
保管しやすいように上図のようにクロマチンに巻いて管理しています。
若いころは、このクロマチンが綺麗に整理整頓され、必要な遺伝子だけが働くように
制御されていますが、加齢とともにこの収納状態が乱れ、閉じておくべきDNAの領域が
緩んで開いてしまったり、逆に開けておくべき領域が閉じてしまったりといったことが起こります。
イメージとしては、カセットテープのテープがユルユルになっている状態。
今時はカセットテープといっても通じないのかな・・・
クロマチンはDNAの情報がどこにあるかを明確にするとともに、
使用するDNAを管理しているといえます。
クロマチンが乱れて起こる一連の不具合をクロマチン老化と呼びます。
クロマチン老化は
・慢性的な炎症
・エネルギー産生の低下
・代謝不良
などが起こるとされます。
SIRT6はストレス応答性のタンパク質脱アセチル化酵素・モノADPリボシル化酵素
DNA修復、テロメアの維持、解糖系、炎症など、老化と関連した複数の経路で機能しています。
どんな実験をしたのかというと、SIRT6を過剰発現するマウスを遺伝子組換えで作って、
観察したところ、肝臓で高齢になってもクロマチンの乱れが効果的に防がれていたとのこと。
クロマチンの老化はアセチル化なので、脱アセチル化をするSIRT6は
クロマチンの老化を抑える効果があるってのは納得な話。
さらにSIRT6の補酵素はNAD+で、NADが若返り成分であると言われるのは
クロマチンの劣化を防ぐことによるものである可能性が高いといえます。
クロマチンが異常を起こすことで、不要なmRNAが作られ、
逆に必要なmRNAが作られないってことが起こります。
つまり、小胞体ストレスの前段階の老化システムになります。
SIRT6を増やすことが老化の予防になるわけで、直接的な成分でいえば
NADが候補として挙がってきます。
NADの前駆体であるNMN、さらにその前駆体であるナイアシンアミド、
ナイアシンなども有効だと思われます。
また、レスベラトロールはSIRT6の発現量を増やすとのデータがありますので、
もしかしたら再度脚光を浴びることになるかも?
あとはフコイダンかな。
沖縄の長寿を支えたのはもずくや海ブドウなどの海藻類を好んで食べているからと
言われています。
フコイダンにはSIRT6を活性化することで、マウスの寿命が27%伸びたとか。
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