遺伝暗号の使い分けを認識する分子機構を解明

ヒト細胞における非最適コドンのセンサーを同定

日本の京都大学、理化学研究所開拓研究所、東京大学工学系研究科、近畿大学薬学部、

米国スタンフォード大学などの共同研究により、RNA結合タンパク質DHX29が、

非最適コドンの翻訳を感知するセンサーとして働くことを明らかにしました。

 

DHX29はタンパク質翻訳装置であるリボソームに結合し、非最適なコドンを多く含む

mRNAを見分けていました。さらに、DHX29はmRNAの発現を抑制する

GIGYF2・4EHPタンパク質複合体を呼び寄せることで、非最適コドンを多く含むmRNAの

発現を抑えることを明らかにしました。

 

 

研究内容の詳細は2026年3月19日に『Science』にて発表されました。

 

常識を覆すくらいの研究内容になるのですが、正直何言っているのか分からんと思います。

しかし、DNAの情報は、A、G、C、Tの4文字からなる言語(塩基配列)で書き綴られているのに対して、

タンパク質の情報は20種類の文字からなる言語(アミノ酸配列)で書き綴られています。

 

「塩基配列」⇒「アミノ酸配列」に変換する仕組みが存在します。

 

この塩基配列とアミノ酸配列との変換ルールを遺伝暗号と呼び、3文字からなる塩基配列の単語をコドン

と言います。(例えばAUC)

コドンは4×4×4で64種類存在することになります。

それに対し、アミノ酸は20種類。

終止コドンを除けば61種類のコドンが存在するので、被るわけです。

図のように1つのアミノ酸に対し、複数のコドンが存在しています。

 

長年、どのコドンでも最終的には同じタンパク質ができると考えられてきました。

例えばGUU、GUC、GUA、GUGはどれもバリンを指定しているわけですが、

どれであっても最終的にはバリンが運ばれてきて、同じタンパク質になると。

 

しかしながら、近年にそうではないということが分かってきました。

ヒトの細胞ではGやCで終わるコドンを使うと遺伝子は活発に働き、

AやUで終わるコドンを多用すると、なぜかその遺伝子mRNAが作られても

早々に分解されてしまい、結果としてタンパク質にならないことが明らかとなります。

 

なんで非適切コドンを多く含んだmRNAをどのような仕組みで分解しているのか?

その答えを明らかにしたのか今回の話ってわけ。

 

結論をいえば、DHX29っタンパク質が関わっていたってことなんですが、

DHX29は何をしているのかというと、mRNAをリポソームに入れる役目を担っています。

mRNAは癖があって、なじれたり、曲がったりしており、これをまっすぐ伸ばし、

リポソームという翻訳機がスムーズに動くようにします。

 

これによりtRNAがコドンに指定されたアミノ酸を運んできて、

タンパク質が作られるわけですが、非最適コドンでは読み取りがうまくいかない。

えーっと、これはなんだっけ?となって、翻訳が滞ることになります。

 

まあ、リポソームがフリーズしているってのを感知したDHX29が翻訳をストップし、

GIGYF2・4EHP複合体を呼び出します。

これはmRNAを分解するやつ。

 

なんとも非合理的なこの仕組み、なぜこのような仕組みになっているんでしょう?

一般的な仮説は「あそび」であるとするもの。

DNAの転写ミス、紫外線などによるDNAの損傷などは日常的に起こっております。

あそびを設けておくことで、多少の塩基の変化があっても、タンパク質になったときに

問題が起こらないようにすることができます。

 

しかしながら、コドンに優劣が存在しているのであれば、

あそびといえるほどのゆとりは存在しないことになります。

つまり、この仮説では説明できなくなっちゃうんですよね。

 

まあ、今回明らかとなったのは、コドンに優劣が存在しており、

劣悪なコドンをもつmRNAがどのような工程で処理されるかってのが

明らかになったという話。まとめるとね。

 

 

で、これがどのように応用されるかというと、

直近ではmRNAワクチンの作成時に重要視されるであろうということ。

mRNAを最適コドンで設計してやれば、ワクチンとしての効果を高めることができます。

逆に非最適コドンが多いとちゃんとしたタンパク質が作られない可能性が高く、

設計段階での不備を減らすことに繋がります。

 

続いて、ガン細胞とDHX29の関係性について。

DHX29の不活性化とガン化には関連性があるのではないか?

なんてことが言われています。

つまり、ガン治療への応用が期待されているって話。

この辺は、出ては消えを繰り返しているので、あんまり進展は期待できないけどね。

 

自己免疫疾患、リウマチとかね。

非最適コドンでできたmRNAが処理されなかったとき、

実はそのタンパク質は本来のものとは異なり、望ましいものではない可能性があります。

そんな異常タンパク質が増えた細胞が免疫のターゲットとなって、攻撃されるのではないか?

ってな仮説。

自分の細胞を攻撃しているのは免疫が狂ったからと考えられていますが、

実はそうではなくて、攻撃されている細胞に問題があるのではないか?ってね。

現段階ではなんともいえないけど。

 

それに限らず、あらゆる病気の根本的な原因なんじゃないか?

とも考えているみたい。

難病していされているような病気は、実はDHX29の不調によるもので、

DHX29の働きを正常にすれば、解決できる病気もあるかもしれないってね。

 

個人的に思うのは、なんで分解して処分してしまうようなものを

わざわざ作ってるのか?ってこと。

もしかしたら病気の火種になる可能性のあるものなんでしょ?

それをわざわざ転写してmRNAを作っているのが本当に意味わからん。

転写するタイミングはコントロールする仕組みがあるにもかかわらず、ですから。

 

美容方面でも関連してくるかもですが、現状は想像もできないです。

 

 

 

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