配糖体

糖がくっついた状態

配糖体とは、糖と糖以外の有機化合物が結合した化合物の総称です。

水溶性が増すため、自然界では多くみられます。

例えば女性ホルモン様作用があるとされるイソフラボン。

大豆などに含まれているわけですが、これは配糖体の状態で存在します。

 

セラミドも植物セラミドは配糖体で存在しています。

グルコシルセラミドのグルコシルってのは糖であるグルコースを意味します。

 

高麗人参に含まれるサポニン、ブルーベリーに含まれるアントシアニンなども

配糖体として存在しています。

 

糖が外れた状態をアグリコン体と呼ぶんですが、実はアグリコン体にならないと

ヒトは吸収できないんです。

にも拘わらず、ヒトは配糖体から糖を外す酵素を持ち合わせていません。

 

では、どうやって吸収するの?

ヒトはもっていないけど、ヒトの中に共生している腸内細菌は

この糖を取ることができるんです。

エネルギー産生のために、糖を利用するために配糖体から

糖を取り出して利用することができます。

 

ですので、植物由来のさまざまな成分は腸内環境によって

効きが左右されてしまうってわけさね。

年を重ねるほど、腸内環境は悪くなり、それと同時に配糖体を分解できる

菌も減っていくとされます。

 

つまり、加齢にともないサプリメントは効きにくくなる。

だからまずは腸内環境を整えようって言われるわけです。

 

腸内環境が寿命を決めてるってのはあながち間違いではないのです。

 

 

さて、化粧品でも配糖体が多く存在するわけです。

例えばビタミンC誘導体とかヘスペリジン誘導体とか、

酸化しないように予め糖をくっつけておくことで安定性を担保しています。

植物セラミドであるグルコシルセラミドもよく使われます。

 

さて、先ほども述べたように、ヒトには配糖体を分解する酵素を持ち合わせていません。

肌の常在菌には配糖体を分解できるものも存在はするのですが、

主流の菌はできないので、ほとんど分解されることはないです。

 

グルコシルセラミドがまったくセラミドへの影響がないってのはそのため。

ただ、水に溶けることができるので保湿作用はあります。

ただ、植物セラミドって決して安いものではなく、ヒト型セラミドと大して変わらん

価格帯です。

ですので、保湿のために入れるってのは非常にコスパが悪い。

 

グルコシルヘスペリジンも同様ですね。

ヘスペリジンだと水に溶けにくいので扱いにくいですが、

配糖体にすることでハンドリングをよくしています。

ただ、誘導されないので、ヘスペリジンとしての効果はあまり期待できません。

 

アスコルビルグルコシドはビタミンCにグルコースをくっつけた

ビタミンC誘導体です。

安定性は非常に高いのですが、高すぎてビタミンCを誘導しないというね。

糖自体に保湿効果があるので、配糖体はだいたい保湿効果はあります。

決して高いものではないのですがね。

 

意図して合成したものはさておき、自然界で配糖体のものは

化粧品の原料として使うのであれば、極力アグリコン体にしておきたいわけ。

効果に雲泥の差がでますから。

 

方法としては2つありまして、1つは酵素で分解してしまう方法。

より確実な方法ですが、酵素って鬼高いわけですよ。

 

もう1つは菌で発酵させる方法。

設備さえ用意すれば、酵素を買うよりは断然安上がりなわけ。

 

昨今は発酵液とかブームですので、●●発酵液というだけで

プラス要素しかない。

 

もしかしたらだけど、発酵液には天然ヒト型セラミドが存在しているかも・・・

いや、ないわ。あいつ水に溶けへんわ。

 

まあ、何が言いたいかっていうと、配糖体は分解されないので

あんまり意味はないってこと。

 

 

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