次のトレンドはオートファジー!?
花王の研究発表がありました。
内容はオートファジーの乱れが肌の乱れに直結するってことを明らかにし、
オートファジーを活性化させる植物エキスを見出したというもの。
オートファジーとは自食作用のことで、
不要になったタンパク質、古くなった細胞、損傷した細胞などなど、
不要になったものを分解して、それを資源として再利用するという
仕組みになります。
2016年に東京工業大学の大隅良典博士がノーベル生理学・医学賞を受賞したことで
高い注目を集めることとなりました。
花王はそれよりも前、2010年からオートファジーの研究に取り組み始めており、
ヒトの皮膚組織を用いてオートファジーの活性の定量法を確立し、
加齢や紫外線による光老化に伴い、その活性が低下することを報告しています。
まず、角化が乱れた皮膚では、オートファジーの活性が低下していることを明らかにします。
角化に重要な役割を有するタンパク質であるロリクリンとフィラグリン、LC3を蛍光色素
で染色し可視化しました。
ロリクリンはコーニファイドエンベロープのおもな構成成分。
![](https://image.jimcdn.com/app/cms/image/transf/dimension=489x10000:format=png/path/s3b67276d0eccefb9/image/ifda52e25d350e89c/version/1683796004/image.png)
フィラグリンは天然保湿因子(NMF)の素となります。
LC3は微小管関連タンパク質1軽鎖3のことで、オートファジーの主要構成要素。
オートファジーは袋上になっていて、中に分解酵素等がはいっており、
不要なタンパク質を取り込み分解します。
この袋の構成成分がLC3となります。
続いて、オートファジーを活性化することで、角化の乱れが改善されるか
ってのを確認します。
結果は改善されたと。
では、オートファジーを活性化させる成分は何か?
と探した結果、ユーカリエキスとビルベリーエキスが
オートファジーを活性化させることを見出したわけです。
それが最初の図になります。
ユーカリエキスはセラミド合成を促進するってことで、
花王が以前から重宝している成分。
アントシアニンにはオートファジーを活性化させるという
事が知られており、実際に植物内ではそれが確認されています。
ユーカリエキスが必要かどうかは分かりかねますが、
販売戦略上、組み合わせたほうが扱いやすいという意図があるのだと
思われます。
ここ最近、オートファジー関連の原料って増えてくています。
それこそ、ノーベル賞を受賞したときなんかは、1、2個くらいしか
なかったのですが、今ではそこそこの数存在します。
まだまだオートファジーの認知度は低く、商品レベルでは
あまりお目にかかることがないですが、数年後にはオートファジーを
ウリにした商品が多くでてくるのではないかなー
うちではアクアタイドを使用していますが、
この原料、マジ神です。
エビデンスもさることながら、価格も適正ですし、
安定供給されるし、ハンドリングもよいです。
オートファジーを謳った商品を作るのであれば、
アクアタイドは絶対に外せないと個人的には思います。
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