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スキンケアとクロトー

近い将来、スキンケアでクロトーが主役の時代が来ると思う

個人的にクロトーにハマっている今日この頃。

クロトー遺伝子が見つかるきっかけとなった早老症のマウスですが、

マウスの遺伝子操作をしている中、偶然に見つかったものです。

そのマウスは、ヒトの老化に良く似た多彩な症状(動脈硬化、皮膚や性腺の萎縮、心肥大、

血管石灰化、認知症など)を呈し、早死にしてしまいます。

だいたい60日で死んでしまったそうです。

マウスは平均2年くらい生きるので、寿命が1/12になってしまうわけですね。

 

逆にクロトー遺伝子を組み込んでクロトーを過剰発現するマウスを作成したとき、

元気な状態で3年生きたそうです。

ヒト換算で120歳まで生きたようなものなんだとか。

 

クロトーの発現は主に腎臓で、リン(P)の排泄をクロトーが制御している

ことが分かっています。

つまり、老化を調整しているのは腎臓であるといわれています。

 

まあ、脳でも発現しており、記憶にかかわっているとか、

アルツハイマー病の抑制にも関わっているといわれます。

 

その辺は我々が恩恵を得られるのは、ずっと先の話ですので、

スキンケアに関わる部分のお話をしていきます。

 

クロトーは細胞レベルで老化を抑制しており、

そのメカニズム自体は明らかとなっています。

 

インスリンはすい臓から分泌されるホルモンで、

細胞にブドウ糖を取り込ませる作用があります。

血糖値を調整していることが知られ、糖尿病の人が打つという

イメージがあるんでないかな?

 

インスリンの受容体は細胞膜に存在しており、

インスリンが結合すると、インスリン受容体から

シグナル物質が分泌されます。

これが炎症などを誘発して、細胞の老化を促します。

 

しかし、クロトーはシグナル物質の分泌を抑制することから、

正常にクロトーが機能していれば、細胞の老化は抑制されます。

 

非常に興味深いのは、生まれながらにして老化する仕組みが存在しており、

クロトーによって封印されているだけってのがね。

とても面白いですよね。

生まれながらにして、老化する宿命を背負っているってことですからね。

 

逆に、クロトーさえあれば細胞は老化しないとも言えます。

何なら、不可逆的と考えられていた老化細胞さえ、クロトーで

若返らせることができるわけです。

 

クロトーを模して造られたペプチドは、高い抗シワ作用を示します。

真皮層を正常化することで、シワの原因となっている基底膜の凹凸を

平にする効果があります。

作用機序は、細胞を若返らせて、真皮の細胞が本来やるべき仕事を

しっかりするようになるから・・・

としか考えられないわけです。

 

少なくとも、その可能性を示唆しているわけですよ。

 

今はレチノールやナイアシンアミドってのが注目されていますが、

そう遠くない将来、スキンケアの主役がクロトーという時代が

来るということを予言しておこう。

 

 

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