若返り化合物「NMN」を生産する乳酸菌を静岡大が発見

NMNが量産できるようになる!?

若返り成分として注目されているNMN(β-ニコチンアミドモノヌクレオチド)を

産生する乳酸菌を発見したとの発表が静岡大学からありました。

 

NMNはNAD(ニコチンアミドアデノシンジヌクレオチド)を誘導するもので、

NADはミトコンドリアの活性に関わる物質で、NADを注入した細胞は、

老化が止まるということが確認されています。

 

NADはめちゃくちゃ高額な成分で、現実的ではないとのことで、

誘導体であるNMNが注目されたわけです。

とはいえ、NMNも十分に高額で、商品したいも高額にならざる負えない

ってのが現状でした。

 

で、今回はNMNを作る乳酸菌が見つかったってことで、

業界が沸いたってなわけです。

 

NMNは抗老化だけではなく、アルツハイマー病やパーキンソン病、

糖尿病などにも効果があるとされており、量産されることになれば、

非常にヘルスケアの部門では大きな変動となることが予測されます。

 

まあ、NMNを作るとはいっても、培地1リットルに対し数mgなので、

まだまだ生産ベースには全然乗ってないんですけどね。

見つかったってのが重要であって、今後はさらに生産性の高い菌株の選定、

効率よい産生をするための培地の改良などなど、NMNの産生効率化に対して

取れる手段はいくらでもあるので、今後の展開に期待ってなわけです。

 

 

 

今回の研究では、NMNを生産する乳酸菌を効率よく探索するため、

以下の工夫がなされたそうな。

 

●菌体の中よりも外に分泌したNMNを検出する方が都合がよい

NMNは構造上、細胞膜透過性が悪いことが予想されたことから、

NMNからリン酸基を除去した化合物「ニコチンアミドリボシド」(NR)を生産するものを見つける。

 

菌体の中にあるものは、一度細胞膜をぶっ壊すって工程が入るので、手間。

一方、培地に存在するのであれな、培地を調べればいいだけですので、

効率が非常によいです。

NRはNMNと同等の効果があるとされていますので、培地からNRと

抽出するってな方法も可能ですし。

 

●NRがないと生育しないような酵母(NR要求性酵母)を使用したバイオアッセイ系を構築する

まず、NR要求性酵母に乳酸菌174株をそれぞれ接種する形で、NR要求性酵母の生育の可能性の探索が実施され、そこから3株の候補株が得られたという。

 

培地にNRがないと生きられない酵母を作って、乳酸菌と混ぜて育てるわけですよ。

で、NR産生能力のある乳酸菌の培地には酵母も生存できるってわけで、

酵母が生きていることを目印にスクリーニングした結果、3株を見つけたというわけ。

 

3株いずれもフルクトバシラス属で、花などに生息している乳酸菌とのこと。

名前の通り、フルクトース(果糖)を好き好んで消費します。

 

フルクトースを添加した培地では、NMNを菌体内に蓄積することが

確認されたとのこと。

 

NMNだけを抽出して使うってよりも、

NMN含有乳酸菌としての販売を想定しているようです。

 

同成果は、静岡大 学術院工学領域の吉田信行准教授らの研究チームと、

静岡大 グリーン科学技術研究所、大阪ソーダとの共同研究によるもの。

詳細は、英オンライン総合学術誌「Scientific Reports」に掲載されています。

 

 

NMNは本当に高額で販売されており、手軽に買えるものではありません。

今回の発見で、現実的な価格まで下がってこればよいのですが・・・

 

 

【関連記事】

NMNのサプリメント

若返りの薬?!

 

 

<<<前           次>>>