グリチルリチンを酵母に合成させることに成功

グリチルリチンの大量生産が可能に!?

甘草から抽出される成分グリチルリチン。

抗炎症剤として使われるグリチルリチン酸2Kやグリチルレチン酸など、

甘草の根っこから抽出されているわけですが、これを遺伝子組換えで、

酵母に作らせることに成功したって論文になります。

 

グリチルリチンが様々な酵素によって作られているってのはわかっていたのですが、

その最後のピースとなる酵素が不明だったわけです。

 

それを3種類のマメ科(甘草、ダイズ、ミヤコグサ)の遺伝子共発現分析、

サポニンに関わる遺伝子を比較することで、甘草特有の遺伝子を同定し、

その遺伝子がコードしている酵素こそが、いままで謎であった

グリチルリチン合成に関わる酵素だったわけ。

 

遺伝子同定のお手本のような見事な論文です。

まあ、紆余曲折あり、試行錯誤しているとは思いますが、

同定までの流れは美しいとさえいえます。

 

おそらく、ある程度目星はついていたんでないかな?

それの確認作業だったので、キレイな形になっているのではないかと。

 

で、同定されたのがセルロースシンターゼ由来のグルコシルトランスフェラ―ゼ(CSyGT)

という新規の酵素だったわけです。

 

 

この遺伝子を含み7つの酵素をコードしている遺伝子を酵母にぶち込んだ結果、

酵母にグリチルリチンを作らせることに成功することで、この遺伝子が

グリチルリチン合成に必要なものであるとの証明をしたわけです。

 

医薬品としても使われているグリチルリチンですが、

今までは甘草という植物からしか抽出できなかったわけです。

それが酵母に作らせることができるようになったわけで、

この組換え酵母を培養することで、大量のグリチルリチンが作れる

ことが可能となったわけです。

 

グリチルリチンというか甘草は中国からの輸入に依存している状況ですが、

これが国産化することができるってのがメリットかなー

あとは、大量生産することによる価格の低下なども起こればいいかな・・・

 

まあ、実際に作るところがあれば、って話だけどね。

 

 

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