両親媒性ビタミンC誘導体GO-VC

ちょっと気になる原料です

最近、ちょっと気になる原料というか、面白いなーと思った原料をご紹介。

アイ・ティー・オーってとこの原料で、原料名はGO-VC。

Gはグリセリン、Oはオクタノールを指しているのだと思われます。

つまり、ビタミンCにグリセリンとオクタノールをくっつけた

ビタミンC誘導体となります。

 

表示名称は水、カプリリル2-グリセリルアスコルビン酸

 

左かわのギザギザがオクタノールで、右の水酸基2つついてるのがグリセリン。

オクタノールは親油性、グリセリンは親水性となり、両親媒性ビタミンC誘導体となっています。

 

1つは安定性が非常に高い。

まあ、逆に言えばビタミンCを誘導しにくいってことですけどね。

 

理由はよくわかりませんが、ビタミンC誘導体って、ジェル製剤との相性が

非常に悪いらしくて、ジェル製剤には配合しずらいらしいです。

水溶性の誘導体だと、粘性が著しく低下するんだとか。

つまり、ジェルの形体を維持できないそうな。

 

脂溶性の誘導体は粘性を維持できても、乳白色になって透明にはならないそうな。

従来の両親媒性の誘導体は、白色化して粘性も低下するとか。

しかしながら、このGO-VCはジェル状の粘性には一切変化なく、透明の状態を

維持できるそうな。

ジェル製剤でビタミンC誘導体を高濃度に配合できるというわけ。

 

逆に言えば、ビタミンC誘導体が配合されているジェル製剤は、

形状に影響しないくらい微量しか含まれていなかったってことなんですね。

まあ、どんなゲル化剤を使うかで違ってくるので、一概には言えませんけど、

そういう傾向にあるってのは間違いないんじゃないかな。

 

それだけではなくて、抗菌作用がすごい。

ニキビの原因となるといわれるアクネ菌、この増殖を90%近く抑制するそうな。

オクタノールも抗菌作用が高いですが、こちらでも30%程度、

防腐剤であるメチルパラベンでも20%程度の抑制効果しかないです。

まあ、ニキビに効果があるかもって感じではありますが、

これを使うことで、防腐効果も付与できるんじゃないかなーとね。

 

 

まあ、うちはビタミンCはつけるより飲んだほうがいいってスタンスなんで、

特に使おうとは思わないんですけど、両親媒性ってことは、

界面活性剤的な作用もあるんじゃないか・・・と思ったわけです。

 

Amitose MGAって原料なんですが、こちらは乳化作用を有したビタミンC誘導体。

これに構造がよく似ているわけです。

ギザギザの部分がちょっと短いだけ。

 

乳化補助的に使えたら面白いかなーと思ったわけであります。

 

 

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