イソチアゾリノン含有のクレンジング製品に誤表示多い

海外の話です

クレンジング製品にイソチアゾリノンが含まれているか、

そして製品表示はどのように記載されているかを調査したって結果が

「Contact Dermatitis」オンラインに掲載されました。

 

Isothiazolinones in cleaning products. Analysis with liquid chromatography tandem mass spectrometry of samples from sensitized patients and market

 

イソチアゾリノンってあんまり聞かないけど、抗菌成分です。

実際に使われているのはイソチアゾリノン系と呼ばれるもので、

イソチアゾリノン誘導体となります。

 

・メチルイソチアゾリノン(MI)

・メチルクロロイソチアゾリノン(MCI)

・オクチルイソチアゾリノン(OI)

・ジクロロオクチルイソチアゾリノン(DCOI)

・ベンズイソチアゾリノン(BIT)

 

接触性皮膚炎の原因になりうるとして、昨今は世界中で使用を控える動きがあるそうな。

シャンプーとかでたまに見るかなーって感じで、滅多にお目にかかれませんからね。

パラベンフリーとかいいながら、これらを使ってた商品を最近見たな。

「おい」って感じです。

 

2013年にはヨーロッパで洗い流す物であれば0.0015%の上限を設け、

洗い流さない物への使用は禁止になっています。

ヨーロッパのほうって防腐剤を規制したがる印象が強いよなー

 

日本では粘膜に使用するものでなければ、0.01%までは配合可能です。

ですので、化粧水とかクリームに使っても問題はないそうな。

防腐効果は非常に高く、少なくともパラベンの100倍は強力だという理解で問題ないです。

 

イソチアゾリノンの抗菌メカニズムは、イソチアゾリン環のS-N結合が開環して

生じたS(硫黄)とタンパクのチオール基(SH基)が求核反応を起こすこと

菌の増殖を抑えたり、殺菌したりします。

 

もちろん、哺乳類の細胞にも影響があるわけですが、

微生物のほうが細胞表面にチオール基が多く存在しているため、

極微量でも影響がでるといわれます。

 

逆にいえば、濃度が高ければヒトにも影響がでるってなわけです。

もちろん、使用上限内であれば、ほぼほぼ問題はないですが。

 

シャンプーの試作段階では使用したことあったのですが、

あんまり具合はよろしくなかったという印象はあります。

 

 

前置きが長くなっちゃいましたね。

この発表では、市販のクレンジング製品のイソチアゾリノン含有量を調査し、

ラベルの表示の正確性を検証したわけです。

 

上限が守られているか、表示は正しいかってのを調べたってことです。

 

対象は市販のクレンジング製品34個。

正直、多くはないです。

ちなみに日本の商品ではないですのでご安心を。

イソチアゾリノン使ってるクレンジング剤って日本ではレアだと思いますし。

 

液体クロマトグラフィータンデム質量分析を用いて、MI、MCI、BIT、OITの濃度を分析した結果、

最もよく検出された成分はMIおよびBITだったそうな。

分析したすべての製品のうち、76.5%に少なくとも1つのイソチアゾリノンが含まれていた・・・

って、そもそもイソチアゾリン含有のクレンジング剤を調べたんじゃないの?

え?違うの? 

 

 

まあ、それはいいとして、12製品のMI濃度は、洗い流し化粧品の許容レベルを超えていた

濃度で配合されていたのが確認されたとか。

0.0015%を超えていたってことかな?

1/3は使用上限を守っていなかった・・・違うわ。

34製品のうちイソチアゾリノンが含まれていたのは26製品だから、

半分近くってことか。

 

さらに8製品では誤表示があったと。

書いてないのに入っていたってことなんでしょうか?

 

日本だったら大騒ぎの案件ですね。

海外製品でイソチアゾリノンが含まれているものは

ちょっと注意したほうがよいかもしれません。

とはいえ、日本の上限は0.01%なんで、それらよりも多く入ってるって

可能性もありますけどね。

 

 

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