角質細胞のタンパク質「SPRR1B」と肌荒れの関係

メナードの研究にて

角質細胞のタンパク質「SPRR1B」の過剰生成が肌荒れの原因に

メナードが、肌荒れが起きる原因を解明するため、

健康な肌と荒れた肌の角質細胞を採取し、

それら細胞の30,000種類の遺伝子発現量を調べて比較。

 

まさに調べまくったって感じです。

 

結果、肌荒れを起こしている肌では、SPRR1Bというタンパク質の遺伝子が

過剰に発現していることがわかりました。

 

SPRR1Bとは、角質細胞の最外層の膜を形成するのに必須なタンパク質。

この外層の膜はコーニファイドエンベロープ:cornified envelope(CE)と呼ばれ、

角質細胞内を守る役目があります。

 

CEは角質細胞の水分保持には欠かせないものですが、

CEを形成するタンパク質が不足しているのではなく、過剰になっている・・・?

なんか、膜が厚くなって、より丈夫になりそうなものですよね?

 

SPRR1Bは通常時と比較すると、肌荒れ時では5倍以上の遺伝子が発現していたそうで、

まあ、単純に5倍作られているってことです。

肌を治すために、一生懸命作るってことなんでしょうか。

 

結果、CEが分厚くなるのですが、不均一な外層になってしまうのだそうです。

 

 

平であれば、積み重ねることが容易ですが、

不均一で、凸凹になっていると、うまく積み重ねることができず、

途中で崩れてしまいます。

 

 

正直、肌荒れが先か、過剰タンパクの発現が先かってのはわかりません。

メナードでは、CEの不均一化が起こり、水分保持力が低下、

結果として肌荒れが起こると考えているみたいです。

 

まあ、なんにせよ、CEを正常化させないと、

肌荒れを治すのは難しいってことになるのかな?

逆に肌荒れを治せば、CEが正常化する?

 

ニワトリが先か卵が先かってね。

 

 

通常は、ここでCEを正常化するには●●エキスが良いって流れなんですが、

直接的に書いていないので、他社のCEに着目したものをご紹介。

 

他所は不均一なCEを未成熟CEとし、これの成熟化を促すという考えているようです。

 

 

コーニファイドエンベロープ成熟促進剤として、

富士化学工業が特許取ってるみたい。

 

富士化学工業といえば、アスタキサンチン。

このCE成熟剤にはアスタキサンチンが使われます。

 

まあ、アスタキサンチンにCEを成熟させる効果がありますよー

ってな内容になります。

 

ヘマトコッカス藻抽出物0.0378%、

この原料にはアスタキサンチン11%含まれているので、

アスタキサンチンとして0.0041%

 

比較対象よりも未成熟CEの割合が少なかったことから、

アスタキサンチンにCE熟成促進作用があるといえるということのようです。

 

知らずに使っていたのですが、

アスタキサンチンには重要な役割があったというわけですな。

 

 

フルーツ酵母

CEの成分であるタンパク質インボルクリンとインボルクリン同士を結び付ける酵素

トランスグルタミナーゼが重要で、これらによって強固なCEができるという考え。

フルーツ酵母を使うことで、これらの産生量がアップするので、

強いCEができるそうな。

 

ちなみに、インボルクリンを多く発現させるとされる成分がチンピエキス。

これはミカンの皮からの抽出物。

トランスグルタミナーゼを多く発現させる成分はボタンエキスがあります。

 

フルーツ酵母エキスはこれらよりも産生促進効果が高いみたいです。

 

また、これと同じコンセプトでイノバラ果実エキスが丸善製薬からでています。

 

 

こんにゃく由来のグルコシルセラミドにも、CE成熟促進効果があるそうな。

まあ、おそらくですが、肌バリア機能が正常化すれば、勝手にCEも正常化

されるっぽいんです。

これは資生堂の研究結果です。

また、これとは別にイミダゾリジノン誘導体によるCE成熟促進剤の特許があります。

サンプル数は少ないですが、劇的に効果があるな・・・

 

 

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