運動は老化を遅らせる効果がある

運動はやっぱり大事だった・・・

運動と老化の関連性を調べた研究が公表されました。

結論をいえば、運動は老化を遅らせる効果があるというものでした。

 

Movement-Based Behaviors and Leukocyte Telomere Length among US Adults.

 

調べ方がちょっと面白いかな~と思いました。

何をもって老化している、していないを決めるんだろ?と思ったら、

細胞のテロメアの長さをみるのだそうです。

 

テロメアとは簡単にいうと、細胞分裂をするときに必要な回数券みたいなもの。

コーヒーのチケットみたいなものだと思ってもらって問題ないです。

細胞分裂をする際にチケットを消費し、無くなったら細胞分裂できなくなります。

 

一応、ちゃんと説明すると、細胞にはDNAという遺伝情報があるわけですが、

分裂の際は、染色体という形体を取ります。引っ越しする際の荷造りみたいなもんですわ。

その染色体の両端にDNAの無意味な繰り返し配列があり、これがテロメアです。

で、分裂のときにDNAを複製していくわけですが、両端ちょんちょんまでは完全に複製できないので、

結果としてテロメアが短くなります。

 

で、このテロメアの長さをみれば、ある程度の細胞の年齢がわかり、

今後、どのくらい機能していられるかというのが読み取れるそうです。

 

つまり、この研究結果は正確には運動とテロメアの長さの関係性を

示したものってわけですね。

 

このテロメアは肥満、糖尿病、喫煙、不眠、ストレスなどなど、

老化を促進するような要因で短くなる速度が上がるとことが分かっています。

 

逆に、健康によいことはテロメアが短くなる速度が遅くするのではないか?

運動はテロメアに関係するのではないか?

という推測はまあ、自然な発想ではあります。

 

方法は6500人分の白血球のテロメアの長さと運動習慣を調査したそうです。

 

対象年齢は20~84歳と幅広いです。

 

 

運動習慣は過去1ヶ月で

・ウエイトトレーニングをしたかどうか?

・ウォーキングのような適度な運動をしたかどうか?

・ランニングのような活発な運動をしたかどうか?

・職場まで歩きや自転車を使っているかどうか?

 

の4項目に対してテロメアとの相関性を調べています。

 

 

結果として、4つのうちどれか1つを行っているグループは

極端にテロメアの短い割合が3%低くなり、

2つだと24%少なく、3つだと29%、4つだと59%も少なくなるとの結果に

 

さらに40~65歳に焦点を合わせると、より顕著に違いが出たそうです。

 

まあ、あくまで運動とテロメアの関連性が明らかになっただけで、

運動が体によいということは百も承知なわけです。

 

今後はどのようなメカニズムで、運動がテロメアに影響を与えるのか、

どの程度の運動すれば効果があるのかが課題になっていくとのことです。

 

 

さてさて、この結果を見て正直恐ろしいな~と思ったわけですが、

運動をほとんどしていない群は運動をしている群よりも

59%も極端にテロメアが短くなっているいうこと。

 

つまり、運動をしていない群の59%以上は極端にテロメアが短くなっているってこと。

割合としてはあまりにも高過ぎる数値ではないでしょうか?

 

運動をすればテロメアが伸びるってことではなく、

おそらくテロメアの減少速度を低下させるということだと考えられています。

 

つまり、運動不足は肥満や糖尿などと同じで、

テロメアの減少を促進していると考えたほうが自然だと思います。

<<<前                次>>>