重度のアトピー性皮膚炎にdupilumabの有効性を確認

dupilumabって何ぞや?

仏サノフィと米Regeneron 「dupilumab」の肯定的な結果を発表

との記事も見て思ったのですが・・・


dupilumabって何?


内容はdupilumabを投与することで、

炎症を引き起こすサイトカインのシグナル伝達を抑制し、

アトピーの改善効果があったとの内容。


過去にも喘息で同様な試験が行われ、

有効性が確認されたとの内容も。


さて、このdupilumabですが、

モノクローナル抗体のことらしいです。


抗体とは、体内の異物に特異的にくっ付き、

体内の免疫に攻撃対象として知らせるものです。


例えば、癌細胞だけにくっつく抗体とか。

ウイルスだけにくっつく抗体とか、病原体の数だけ抗体は存在します。


この抗体を人工的に作ったものが、

モノクローナル抗体で、「モノ」は単一という意味

「クローナル」は混じっけのないという意味。


そして、この抗体の攻撃目標は、

インターロイキン4受容体αサブユニット(IL-4Rα)とのこと。

免疫反応を促進するシグナルを受ける部分を攻撃

させることで、過剰な免疫反応を抑制するというわけ。


すでにモノクローム抗体は医療の現場で使われており、

癌細胞にあるHER2という増殖伝達受容体を標的として、

抗体をくっつけ、癌細胞の増殖を抑制することができるそうです。


現在のバイオテクノロジー薬品のうち、1/3は

このモノクローナル抗体であると言われるほど、

次々と新しい抗体が作られており、

これもその一貫であるわけです。


ヒトのモノクロームを使えば、副作用も少なくて済むそうですが、

タンパク質なので、経口投与ができないため、

注射による投与になります。

そして、それに伴うコスト高が問題としてあるそうです。



ま、簡単に言えば、

本来体で作る抗体を、外部で合成し、

投与するというもの。


作り方は、感染させて、抗体を産生する細胞を作り出します。

そのままだと、すぐに死んでしまうので、

不死化させるため、癌細胞と掛け合わせ、

長期培養することで、抗体をどんどん作らせます。


問題は一旦感染させなければならないので、

ヒトで作るのは難しい病気もあります。


かといって、マウスで作ると、

モノクローナル抗体に対しての抗体が体にできてしまい、

効果が打ち消されてしまう可能性があります。


そこで、マウス由来のものをヒト化させることが

重要になっていります。


まあ、ヒトで作れば一番手っ取り早いわけですがね。



今後も癌細胞をはじめ、自己免疫疾患、感染症の分野で、

新しいモノクローナル抗体ができてくることでしょう。


これらの病気を人類が克服する日も、そう遠くない?!