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酵母はなんで自ら作ったエタノールで死なない?

言われてみれば、なんでだろう?

岐阜大学応用生物科学部応用生命化学科の谷 元洋教授の研究グループが

複合スフィンゴ脂質の一種である「マンノシルイノシトールホスホリルセラミド (MIPC)」

の生合成が、出芽酵母のエタノール耐性獲得に重要な役割を果たすことを明らかにした

という記事が目に留まったのですが・・・

 

確かに、なんで酵母は死なないんだ?

 

酵母は糖を分解してエタノールに変換する発酵を行います。

お酒を造っているわけです。

エタノールは消毒に使われるもので、70%で高い殺菌作用があります。

エタノールは細胞膜や細胞壁の構造・機能を乱すため、細胞にとって有害な物質で、

これを利用して殺菌するわけです。

 

そのエタノールを作り出しているのが酵母菌というは確かに不思議な事ではあります。

ペニシリンで青カビが死なないのと同じことではあるんですが。

当然ながら酵母はエタノール耐性をもっているわけですが、その獲得メカニズムが

明らかとなったというお話。

 

元々はセラミドのシグナル分子としての働きを観察するために、酵母の変異株を作っており、

その過程でマンノシルイノシトールホスホリルセラミド(MIPC)を分離しています。

MIPCはセラミドにイノシトールとマンノースがくっついた複合スフィンゴ脂質になります。

 

15種類の複合スフィンゴ脂質が見つかり、そのうちMIPCが欠損すると

エタノール耐性がなくなることが明らかとなりました。

 

MIPCは細胞膜に存在しており、これが膜構造の安定化に寄与しており、

エタノールの影響を中和していたとのこと。

MIPCはエタノールのほか、栄養飢餓状態からも細胞を守る作用があるそうです。

 

MIPCはヒトには存在していないようで、化粧品への応用は難しいかなー

現状、MIPC合成を阻害することで菌の増殖を抑えるような防腐剤の開発が

行われているとか。

ヒト細胞には一切影響がなく、菌だけを抑えることができるので、

水虫などの白癬菌やカンジダ菌の新薬となりうるかもしれません。

 

パンや酒類など酵母を含む食品、サプリでも酵母を取ることがありますが、

その際にはMIPCを微量ながら摂取することになります。

その影響は今のところ一切分かっていません。

もしかしたら、何かしらの有効性があるやもしれません。

 

LPS(リポポリサッカライド)に近いものなので、何かしら化粧品原料として

使えるかもしれないですが、今のところは何もわかっていない状態。

 

まあ、今後に注目ってとこかな。

 

 

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