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レチノールの理想の使い方

濃ければよいって話ではないです

ビタミンA(レチノール)は体内でレチナール、レチノイン酸に変換されます。

生体内では形態形成制御作用、細胞の分化増殖制御などの作用を持っています。

 

レチノイン酸は核内にレチノイン酸受容体(RAR)と結合することで

代謝に関わる遺伝子が活性化します。

また、レチノイドX受(RXR)も存在しており、シスレチノイン酸と結合します。

 

RAR、およびRXRにはそれぞれα、β、γと3種類存在し、皮膚においては

RARα、γが発現しており、90%がRNRγといわれています。

RXRではRXRα、βが発現しており、RXRαが大半を占めます。

 

レチノールってのは直接作用するものではなくて、レチノイン酸に変換されて

初めて作用するものになります。

そしてレチノイン酸は2つの状態を行き来しており、それぞれ異なる受容体に

作用しています。

 

RARに作用するのが本流で、とても強い効果を発揮します。

いわゆるレチノイド反応と呼ばれる副作用が起こるのはこっちです。

逆にRXRはレチノイド反応が起こりにくいです。

バクチオールなどのレチノール様作用物質はこちらに作用します。

 

高濃度のレチノールを使用すると、レチノイド反応が起こります。

肌が赤くなったり、粉を吹いたりする反応は、1~2週間程度で落ち着きます。

これはレチノイド耐性を獲得したことにより起こる反応になります。

CRABPII(cellular retinoic acid binding protein II)というタンパク質が

細胞内で作られ、これがレチノイン酸を捕らえ、核内への移行を阻害します。

 

レチノイン酸が細胞内で異常に増えた状態ってのは細胞的には望ましい状態では

ないってわけです。

代謝速度が異常に早くなることは問題ではありますが、それ以上の問題がありまして、

胎児のときにこれが起こると催奇性作用となります。

妊娠中にビタミンAを取り過ぎると、奇形率が高まります。

この催奇性作用を抑えるために、この仕組みが存在していると考えられます。

 

ですので、妊娠時のレチノール使用は控えたほうがよいです。

塗布ですので問題ありませんっていう会社もないと思います。

 

 

ここから導き出されるレチノールの理想の使い方は、レチノイド反応が

でないギリギリの量を使うこと、になります。

ぶっちゃけ、レチノイド反応が出た時点失敗なんです。

使い続ければそのうち治まるからって言われますが、使い続けると耐性がつきますので

すぐに中止してください。

 

医薬部外品でレチノールの使用量が0.01~0.1%となっているのは

この範囲ではレチノイド反応が出ないであろうってこと。

つまり、これくらいの範囲で使用するのが一番効率がよいといえます。

 

レチノイド耐性がついてしまうと、本来のレチノールの力を発揮できなくなります。

RARでの活性化が起こらず、RXRのみになってしまうわけですから。

この状態はレチノール様作用のある成分を使うのと変わらない状態になります。

 

あと、レチノールと一緒にレチノール様作用のあるものを使うと、

レチノール様物質のほうがRXRを占拠するので、RARに作用する形の

レチノイン酸が増えます。

より薄い濃度で高い効果を得られます。

ただし、レチノイド耐性がついていない時に限ります。

レチノイド耐性獲得後は、この組み合わせはレチノールが無意味となります。

 

まあ、今更言われても・・・って人のほうが多いでしょうけど、

ご参考になれば幸いです。

 

レチノールはすべてレチノイン酸に変換されるわけではなく、

一部はパルミチン酸レチノールとして貯蓄されます。

ぶっちゃけると、パルミチン酸レチノールを使用したほうが、

必要な量だけレチノールに変換されるので、こっちのほうがおススメではあります。

もちろん、レチノールほどの効果はないですが、レチノイド反応が

起こることもないですし、耐性を獲得することもないわけで。

 

予防ってことで使うのであれば、断然こっちですけどね。

 

 

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