そのような疑問が生まれた経緯のほうが興味深い
「セラミドは油性成分ですがアクネ菌のエサになりますか?」
というご質問をいただきました。
結論からいえば、なりません。
これだけ書かれて送られてきたので、何をソースにそのような疑問を抱いたのか
調べてみたのですが、セラミドがアクネ菌のエサになるってバカなことをいっている
ものは見つけることができませんでした。
それを示唆しているような記述も見つけることができませんでした。
アクネ菌は常在菌の一種で日和見菌になります。
別に悪玉菌ってわけではないんです。
毛穴に生息しており、外部からの菌の侵入を抑えたり、皮脂を分解して
グリセリンを作ったりします。
数が増えすぎるとニキビになるので、忌み嫌われるわけですが、
誰の肌にも必ず存在しています。
アクネ菌は皮脂を好んでエサとしているわけですが、
皮脂の組成はこんな感じ。
当然、セラミドは含まれていません。
大部分を占めるトリグリセリドってのは中性脂肪のことで、
グリセリン+脂肪酸✕3で構成された脂肪になります。
アクネ菌の栄養源がこれになります。
アクネ菌はリパーゼという酵素を持っており、脂肪をグリセリンと脂肪酸に分解します。
このグリセリンを主なエネルギー源としていると言われます。
プロピオン酸を作ることから、脂肪酸もエネルギー源となっていると考えられます。
プロピオン酸はもっとも短い脂肪酸。
肌を弱酸性に保ち、抗菌作用もあり、有害な菌の定着を防ぐ役割があります。
ワックスエステルは脂肪酸と脂肪族アルコールで構成されており、
アクネ菌は代謝することができません。
これは人でも同じで、消化吸収することができません。
遊離脂肪酸は脂肪酸のこと。
スクワレンはトリテルペンで栄養源にはなりにくいです。
その他はコレステロールとかジグリセリドなどです。
何が言いたいかというと、油性成分=アクネ菌のエサとなるわけではないってこと。
皮脂をまるっと利用できるわけではないのだから。
セラミドは脂肪酸とスフィンゴシンで構成されているわけですが、
アクネ菌はこれを分解する酵素はもっていません。
セラミド分解酵素であるセラミダーゼ を持つ菌として緑膿菌が挙げられます。
緑膿菌はどこにでもいる菌で腸内にも存在しています。
日和見菌で免疫力が低下していると感染症を引き起こします。
哺乳類以外では、セラミダーゼをもつ生物は珍しく、緑膿菌で見つかったときは
大発見だったわけです。
アクネ菌がもっているわけもなく・・・
