エビデンスっぽいもの
ロート製薬の発表なんですが、ビタミンCとアゼライン酸の組み合わせにより、
顕著にIL-8の遺伝子発現が抑制されることを明らかにし、今後の製品開発に活かしいく
との発表がありました。
加藤氏がこれを見て、全然意味が分からんとぼやいていました。
確かに、こういった研究発表って誰向けに出しているんでしょうね?
まあ、少なくとも一般顧客向けではないのでしょうけど。
そんなに難しい話しはしていないのですが、まずアゼライン酸ってのが
何かって話から。
アゼライン酸はアメリカのほうではニキビ薬として使われていますが、
日本では化粧品原料として使えますが、医薬部外品とか医薬品などの扱いはされていません。
ニキビ薬に使われるくらいなので、アクネ菌を抑える効果があります。
いわゆる抗菌作用ですね。
アクネ菌は常在菌の1つで日和見菌でもあります。
皮脂を分解して、グルセリンを作るので肌の保湿に貢献しているわけですが、
過剰に増えると免疫が活性化し、ニキビになるなど悪影響がでます。
皮脂を分解するとグリセリンのほかに脂肪酸ができます。
アクネ菌は増えすぎると免疫が活性化するのですが、そのシグナルとなるのが
脂肪酸なんです。
脂肪酸が多くなった場所に免疫が集まってきます。
集まってきた免疫はIL-8というサイトカインを放出し、
炎症系の進行を加速させます。
脂肪酸のなかでもステアリン酸が特に免疫を活性化させることが分かり、
ステアリン酸がない状態と比較し、6倍弱のIL-8の発現が活性化されたとのこと。
よくステアリン酸は化粧品に配合されていますが、もしかしたらあんまりよくないのかもね。
アゼライン酸はアクネ菌を抑えるわけです。
アクネ菌が抑えられれば、皮脂の分解も抑えられるわけで
脂肪酸が減るわけです。
免疫が集まるトリガーである脂肪酸が増えなければ、
免疫が集まらないわけで、サイトカインも作られません。
ですので、アゼライン酸を使えばIL-8の発現が抑えられるのは必然で。
そもそも抗炎症作用があることがわかっています。
まあ、そのメカニズムは遊離脂肪酸が抑えられるからってことなんでしょう。
というバックグランドがありまして。
で、ビタミンCとアゼライン酸を組み合わせたらIL-8の発現を
抑制しましたってなデータを出してきたわけです。
ステアリン酸を添加しただけのもの、
ステアリン酸+ビタミンCを添加したもの、
ステアリン酸+ビタミンC+アゼライン酸を添加したもので比較し、
ステアリン酸だけのものを100として、どれだけ抑えられたかって
データを取ったら、ビタミンC+アゼライン酸では75%くらい
抑制されたと。
本来であればステアリン酸+アゼライン酸区が必要なんですよね。
でなければビタミンCを加える意味があるのかどうか、判断できないわけですから。
個人的見解では、アゼライン酸だけでもビタミンCを加えたときと同じ結果になる
であろうと考えています。
何が言いたいかって、この発表はエビデンスっぽいものを出してるだけで、
特に新しい発見ではないってこと。
ビタミンCとアゼライン酸という新しい組み合わせの正当性、合理性を示すため、
それっぽいデータをだしただけの話なんですわ。
このデータが意味あるものになる可能性は、アゼライン酸の濃度を抑えても
ビタミンCと組み合わせた時に、高濃度アゼライン酸と変わらぬ結果がでた
って時になります。
アゼライン酸は15~20%とかなり高濃度で運用されます。
しかも刺激性が鬼強。
滅茶苦茶ピリピリします。
たとえばアゼライン酸5%くらいで、ビタミンCを加えることで
アゼライン酸20%と変わらぬ効果があったってなれば、大発見ではありますよね。
まあ、そんなデータは提示されていないわけですし、今後もされることはないでしょう。
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