幹細胞の長寿に関連する遺伝子を再プログラムするんだそうな
にわかには信じられない話ではありますが、中国科学院と首都医科大学の研究チームが、
長寿に関連する遺伝子を再プログラムした特殊な幹細胞を作成し、高齢のカニクイザルに
注射によって投与した結果、老化の兆候を逆転させることに成功したのと発表がありました。
FoxO3というタンパク質があるんですが、酸化耐性を高めることから
長寿遺伝子の1つとも言われています。
細胞のストレス応答、抗酸化のほか、DNA修復、アポトーシスなどに関与しています。
幹細胞のFoxO3遺伝子を老化しにくいように改変してた「老化抵抗性間葉系前駆細胞(SRC)」
を作成をまず行ったそうな。
ヒトの幹細胞です。
19~23歳のカニクイザル(ヒトの約57~69歳に相当)を
●生理食塩水を投与するグループ
●普通の幹細胞を投与するグループ
●SRCを投与するグループに分け、44週間にわたって2週間ごとに投与を実施しました。
免疫の拒絶反応やガン化などの奇特な有害事象は観測されなかったとのこと。
結果、SRCを投与されたカニクイザルは高い精度でエサの入っている箱を記憶していることが判明。
まあ、ボケが解消されたといってもいいのかな。
さらに、MRIを用いてカニクイザルの脳の構造解析を行ったところ、
SRCの投与によって加齢に伴う脳の萎縮が緩和され、脳の状態が3~5歳の
カニクイザル(ヒトの約9~15歳に相当)と同等の状態に回復したとのこと。
観察される行動だけでなく、脳の構造上でも若返りが確認されてたってわけ。
骨粗鬆症についても改善の兆しが確認されたとか。
遺伝子の発現量も調べたところ、50%近く改善されており、
臓器や組織の構造上でも若返りが観測されたとのこと。
あとは、大動脈の肥厚が減少している、アルツハイマー病に関連するタンパク質や、
腎臓や脳における異常なミネラルの沈着も減少していたとのことです。
要するに、あらゆることで若返りを示唆し、局部的なものではなくて
全身に対して若返りが起こっているということを言いたかったのだと思われます。
細胞レベル、組織レベル、臓器レベル、個体レベルで見ても、
若返りが見られると。
本来であれば、時間経過とともに、老化は進むわけですが、
SRCを投与されたサルは本来不可逆な流れに逆らって、
若返りの方向へ進んだと。
これは44週間の期間での出来事で、これを5年、10年と続けていけば、
目に見える形で若返りを観測できるかもしれません。
所謂、人類が夢見た「若返り」が実現できるかも・・・ってところまで
来たって話なんです。
秦の始皇帝が求めた不死不老に手が届くかもしれないわけ。
ですので、ちょっとにわかには信じられないよなーと。
問題点は2つありまして、1つはヒト幹細胞を注入しているわけです。
サルには影響がなかったけども、ヒトに注入した場合、
本当に拒絶反応は起きないのか?ガン化の心配はないのか?
ってところが問題で、割と大きな問題。
若返りのために注射したら、ガンになったとなれば目も当てられません。
もう1つは金銭的な問題。
SRCを2週間に1回、投与する必要があるわけですが、
それを一生続ける必要があるわけです。
おそらくですが、1本の注射を打つのに、莫大なお金が必要となります。
まあ、不死不老なんて望む連中は有り余る財産を所有していることでしょうから、
そこだけをターゲットにしても、全然ビジネスは成り立つでしょうけど。
なかなかヒト試験をするのは人道的に難しいですが、
中国であればできなくもないでしょうから・・・
すでにヒトでの試験は始めっているかもしれません。
問題なければ、そう遠くない未来に大々的に発表されることでしょう。
問題があれば、人知れず闇に葬られることでしょう。
上手くいけば、100年後も習近平が主席をしているなんてことも、あり得るかも・・・
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