抗シミ因子 sFRP1
またコーセーからの研究発表なんですけども、米国シンシナティ大学との共同研究により、
真皮の抗シワ因子「sFRP1」を発見したとの発表がありました。
sFRP1(Secreted frizzled-related protein 1)は、Wntシグナル伝達経路を阻害するタンパク質。
Wntシグナル伝達経路ってのはよくわからんけど、細胞膜に受容体があり、
Wntタンパク質が結合することで反応が活性化されるというもの。
シグナル伝達カスケードと呼ばれる反応で、この1つの反応で滝のように
反応が進みます。
シミのない真皮とシミのある真皮を比較した際、
sFRP1の発現量はシミのない時と比べ、半分にまで落ち込んでいたとの結果に。
また、老化細胞でのsFRP1の発現量は健常細胞の1~2割程度まで
落ち込むとの結果になりました。
つまり、sFRP1は抗シミ因子であり、メラノサイトの活性化を抑えているってわけ。
加齢によってできるシミはsFRP1の減少によってできるともいえます。
メラノサイトが活性化しっぱなしで、鎮火しないからメラニンが作られ続け、
シミとしていつまでも残る・・・と考えることもできます。
これは非常に画期的な発見でして、シミ予防に革命を起こす可能性を秘めています。
まあ、あくまでも「可能性」ですがね。現段階は。
メラニンを作る大元であるメラノサイトは普段はsFRP1というタンパク質で、
活性化のスイッチに蓋をしているわけです。
紫外線に曝されると、sFRP1が減少し、メラノサイトが活性化するわけですが、
おそらく徐々にsFRP1が増えていき、メラノサイトを鎮静化させるのだと思われます。
だからこそ、日焼けって形で時間が経てば白くなるわけ。
若かりし頃はね。
しかしながら、老化細胞はsFRP1を作らない、もしくはsFRP1産生を阻害するため、
sFRP1が低下し、常にメラノサイトが活性化してしまっていると。
常にメラニンが作られることで、シミが形成されるっちゅうわけ。
逆にいえば、sFRP1が常に高い状態で維持できれば、シミはおろか
メラニンさえ作られないっちゅうわけ。
従来の美白作用のさらに先手を打ってシミを防ぐことができます。
さて、コーセーはsFRP1の発現を増やす成分として、グリーンルイボスエキスを
見出しました。

正直、ちょっと弱いかなー
濃度に正比例的にsFRP1の遺伝子発現量は上がっていくってなデータなんですが・・・
遺伝子発現量=タンパク質量ではないので、おそらくこれくらいの差では
実際のsFRP1の量への影響は誤差程度になると思われます。
これが実際のsFRP1の量であれば十分なんですけどねえ。
ルイボスティって割と最近ではポピュラーなお茶になっているので
説明は不要かもですが、南アフリカで栽培されているマメ亜科の植物。
個人的にはグリーンルイボスエキスといえば、タマ生化学って印象が強いかな。
アスパラチンを20%で規格している原料で、高い整腸作用があったので、
よく配合にいれてたなー
化粧品原料ではテクノーブルのリネアグリーン®-W、
日研フーズのグリーンルイボスエキスパウダーSHが存在しています。
どちらかを使ったのか、それとも独自で調達したのかは定かではないですが、
今後は美白化粧品に入れてくることでしょう。
表示名称はルイボスエキスになります。
作用機序としては大変興味深いところではありますが、
現段階では時期尚早かなー
そう遠くないうちに革新的な成分がでてくるだろうと思われます。
その成分が取り扱えるかどうかはわからないけども、
その時は是非とも取り入れたいとは思います。
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