スイッチをONにする?!
2025 年4 月8 日オランダ・アムステルダムで開催された
世界的化粧品アワード「BSB Innovation Award 2025」にて
「天然由来原料」分野のアクティブ原料部門でブロンズ賞を獲得した原料、
それがPrimeLipid PIという名の原料。
日本精化の原料になります。
表示名称は水添レシチン、レシチン、フィトステロールズ、トコフェロール
リポソーム形成剤として販売しているのですが、これに美肌スイッチをONに
する機能があるとかで受賞に至ったとか。
フィトステロールズは植物ステロールのことなんですが、
これがホスファチジルイノシトールなんだとか。

一般的なホスファチジルイノシトールは上図のようになりますが、
二重結合の部分が色々なバリエーションがあります。
この原料において、複数の種類のホスファチジルイノシトールが含まれているのか、
それとも特定のものに限られているのかはちょっとわかんないです。
ホスファチジルイノシトールは、細胞膜を構成するリン脂質の一種。
細胞のシグナル伝達、タンパク質の膜局在、細胞内輸送などを行っております。
PrimeLipid PIは高い保湿力が確認されており、ヒアルロン酸の合成量が
2倍になるとのデータがあります。
また、メラニン合成を20%抑制し、メラノソームの取り込み阻害効果が
確認されており、美白効果も期待されます。
おそらく、これが「美肌スイッチをONにする」ってことなんだと思いますが、
Nrf2を介して細胞内の抗酸化システムを活性化させる効果が確認されています。
Nrf2(NF-E2-related factor 2)は、酸化ストレスによって活性化される転写因子。
Nrf2は細胞内に入り、細胞を保護する抗酸化酵素や解毒酵素の遺伝子発現を増加させます。
基本的には時計遺伝子などによって管理されており、日中の活動時に活性化され、
紫外線や空気中の汚染物などから肌を守ります。
いわゆる肌の防御性を高めるこのシステムも、年齢を重ねる毎に
機能の低下が起こります。
そこで、PrimeLipid PIを取り入れることで、再び活性化させましょう
ってなコンセプトになります。
まあ、アンチポリューション効果がありますよーって話です。
ただ、フィトステロールズってPhytopresome™ Cera-Ⅴにも普通に含まれていますので、
敢えてこれを使う理由はちょっと見当たらないかな。
元々はリポソーム化のために作られており、日本精化はリポソーム化の技術が
世界トップクラス。
フィトステロールズは様々なリポソーム製剤にふくまれており、
これだけ特別なものってのは考えにくい。
知らず知らずに多くの人が使っている成分といえるかね。。。
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