医薬部外品の規定から逸脱しているんですけども
とあるところのジェルクリームがありまして。
医薬部外品なんですが、ナイアシンアミドを5%配合しているというんです。
誰が言ってるのかは知りませんが、まああり得ないよなー
だって、本当だったら回収案件ですから。
ただ、なんでそんなことになったのかってのは興味深い話ではあります。
まず、ナイアシンアミドの医薬部外品での配合量は、化粧水で0.1%~1%
クリームや乳液、ハンドクリーム、化粧用油などには0.1%~3.5%と決められています。
最近、保管期間内に水分の蒸散で規定濃度を超えてしまうとのことで
自己回収がありましたが、この配合量は厳密に守らなくてはならないものです。
ナイアシンアミドに限らず、医薬部外品は配合濃度に上限が設けられています。
その理由は医薬部外品が安全性を担保するものだからです。
つまり、上限を超えるものは医薬部外品として認められないというわけ。
ですから、ナイアシンアミド5%で申請しても許可なんか下りるわけないんです。
しかしながら、当初は公式のホームページでナイアシンアミド5%を謳っていた
のだと思われます。
「有効成分ナイアシンアミド5%配合」と書かれた画像が存在していました。
過去形なのは、今現在はその画像は5%を削除したものに差し替えられており、でてきません。
数日前はまだ見れたんですけどね。
この会社は配合成分はもちろん、配合濃度まで公開している稀有な会社なんですが、
このジェルクリームだけは有効成分であるナイアシンアミドの濃度は適量となっています。
他の医薬部外品の有効成分はちゃんと濃度が記載されているのに。
おそらく、5%と書かれていたことがあったんだろうと思われます。
画像が修正されたのが数日前であることから、濃度の記載の変更も
つい最近に行われたのだと思われます。
ナイアシンアミド5%では医薬部外品の登録は不可能。
にもかかわらず、ナイアシンアミド5%を謳っていた。
これは一体なんなんだ??
考えられるのは、医薬部外品申請時に偽情報で行ったか、
販売する時に濃度を盛ったかの二択になります。
申請は3.5%で通して、製造は5%で行ったって可能性ですが、
まあ、普通は無理だよなー
加工先の責任問題になってくるから。
事が発覚した場合、販社ではなくて製造元が責任を負うことになり、
回収費用も製造元が負担しなきゃいけないんですよ。
下手すりゃ製造許可を取り消しになる可能性だってあります。
自社工場持ってるのであれば話不可能ではないですが、
もし仮に5%で作って売っているのであれば、それこそ大問題なわけで。
本当の濃度は3.5%だけど、盛って5%と書いたって可能性ですが、
まあ、普通はやらんわな。
だって全成分の濃度を公開しているんですよ?
1つ嘘が発覚したら、全部の疑われることになるんですから。
全部嘘なんじゃないかってね。
しかしながら前者よりも後者のほうが可能性としては高い。
前者の可能性が限りなくゼロに近いというほうが正しいかな。
なぜ、そのようなことをしたのかってのは謎でしかないです。
一時の売り上げを上げるために、背負うリスクがデカすぎるんよ。
会社の存亡にかかわるレベルです。
まあ、ひっそりとなかったことにしていますが・・・
どうなることやら。
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