ナイアシンアミドが濃縮された?

水分の蒸発で濃度が変わり、部外品の規格を逸脱した?

某大手のメンズ用美容クリームが自主回収されるってことが

つい最近起こったわけですが、なんとも不可解な話で。

 

回収されたのはナイアシンアミドで美白で登録された医薬部外品。

某社曰く、自主的に実施している試験で、内容物の水分がわずかに揮発したことから、

3年の使用期限内に医薬部外品の規格を逸脱する可能性が否定できないとのこと。

製造した約57万個すべて自主回収すると発表しました。

 

ナイアシンアミドの配合量は化粧水だと0.1~1%

クリームなどでは0.1~3.5%と定められています。

このクリームでは上限の3.5%を配合していたのでしょう。

 

上限いっぱいで作ってしまうとちょっと水分が蒸散しただけで、

上限を超えてしまうので、そのへんも考慮して設計しなきゃいけないんですけどね。

 

加速試験を行っているはずで、通常は4倍加速で行います。

まあ、本来は発売する前に確認しておかなきゃいけないのですが、

9ヵ月かかってしまうので、発売と並行して行うことがほとんど。

 

この製品が発売されたのが約2年前。

これが何を意味するのかというと、加速試験は1年前にはすでに終わっているってこと。

つまり、ナイアシンアミドの濃度が規格から逸脱することは、

ずっと前には確認されていたってこと。

 

それをこのタイミングで回収するってのは不自然だなー

と感じるわけです。

 

医薬部外品のルール上はあってはならないことではあります。

しかしながら、0.1%濃度が濃くなったからといって、

影響なんて皆無なわけです。(実際は0.01%とかだと思われます)

ぶっちゃけ、黙っていれば誰も気づかない話なわけ。

 

もちろん、大手企業として誠意のある行いをしたってだけかもしれませんが、

それだけじゃないような気がしてならないんですよ。

 

おそらくですが、2年を超えたあたりから怪しくなってくるという

結果がでていたんでしょうね。加速試験で。

ギリギリまで売れるだけ売ろうって魂胆であれば、全品回収っておかしい。

 

まあ、買ったものをわざわざ問題のないものを返品してくるのは

極わずかだろうと考えたのかもしれませんが・・・

 

考えすぎと思われるかもしれませんが、この回収の目的って

他社への嫌がらせなんじゃないかと個人的には思っています。

 

57万個って滅茶苦茶たくさん作っているわけですが、これって何回も受注が積み重なった

結果ではないんですよ。初期製造でこれだけの量作っているわけなんよ。

大量ロットで発注することで、加工賃を大幅に下げることができます。

まあ、実績もあるのでこの無謀ともいえる数を作ったとしても、捌けるだろうと

判断したとて不思議ではありません。

本来であれば、売り切る力はあるわけですから。

 

それが2年も経っても捌けなかったわけです。

1年ですべて消費し、再製造してってのを繰り返していれば、

経時によって濃度が変わるってのは気にする必要がなかったはずです。

 

それを敢えて引き上げるってのは、予定が大きく狂って、

大量の在庫となっていたのだと思われます。

 

それによって、何が起こったか。

医薬部外品を取り扱っている会社は非常に多いわけです。

ぶっちゃけ、ほとんどは上限いっぱいまで入れています。

コスト的には大差はないわけですから、効いた方がよいと

考えるのが普通ですから。

 

そうなると、某社で起こったことは、日常茶飯事で起こっている

可能性がでてくるわけです。

 

医薬部外品を作るうえでも「リスク」ってものが浮き彫りとなった

といっても過言ではない出来事だったわけ。

 

他社からすれば「余計なことを」って思いでしょうね。

 

この件を受けて、国が無作為に調査する可能性だってあり得るわけですし。

 

 

・・・まあ、考えすぎか。

 

しかしながら、今後は医薬部外品を作る際には、このリスクを考慮される

ことになるのは間違いないです。

 

 

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