エクソソーム、必ずしも良いものとは限らない

環境刺激の影響

ザ・ギンザの研究発表になります。

高価格帯の化粧品を販売しているイメージかなー

 

肌は日々、外からの刺激を受けています。

暑さ、寒さ、乾燥などなど。

それらの刺激を受けた際に共通の変動因子の特定を試みた結果、

エクソソームに共通のマイクロRNAを発見しました。

 

エクソソームは昨今話題となっており、幹細胞培養液などは

エクソソームの量を競うくらい。

エクソソームは細胞間の情報伝達を行うものです。

ナノサイズの小さな膜小胞の中にはマイクロRNAやタンパク質が含まれます。

 

 

3次元皮膚モデルを使用し、4つの異なる外的刺激(乾燥、低温、高温→低温、低温→高温)

を受けたときに細胞から放出されるエクソソームを網羅的に解析したところ、

共通して多く含まれる特定のマイクロRNAを発見しました。

このマイクロRNAは長寿遺伝子の1つSIRT6遺伝子の発現を抑制

してしまうことも明らにしました。

 

このマイクロRNAをザ・ギンザでは環境刺激シグナルmiRNAと仮称しています。

 

SIRT6遺伝子の発現はDNAの修復、酸化耐性の強化、炎症の抑制などの働きをしています。

細胞の老化を抑制している遺伝子の1つになります。

 

つまり、環境刺激シグナルmiRNAはSIRT6の発現を抑制するため、

細胞の老化を促進することになります。

 

 

マイクロRNAについて補足しておくと、マイクロRNAは

約21~25塩基長の小さな一本鎖RNA分子で、タンパク質に翻訳できません。

 

DNAからmRNA(メッセンジャーRNA)に転写が行われ、

mRNAから翻訳が行われタンパク質が作られます。

マイクロRNAはmRNAにくっついて、翻訳を阻害しま

 

マイクロRNAは特定の遺伝子の翻訳を阻害することで、

特定のタンパク質の産生量を調整するためのものになります。

 

つまり、マイクロRNAを含んでいるエクソソームは何かしらのタンパク質の

産生を抑制するもので、必ずしもプラスに働くとは限らないといえます。

環境刺激シグナルmiRNAは明らかにマイナスに働くわけですから。

 

環境ストレス、たとえば長時間暑さに晒された後って、

酷い疲労感を感じるのではないでしょうか。

これは環境刺激シグナルmiRNAによって、SIRT6遺伝子の発現が抑制される

ためだと考えられます。

 

ストレスのダメージから回復させるために逆にSIRT6は活性化されてもいいような

ものですが、なんでこんなことが起こるのでしょう?

 

おそらくではありますが、ストレス反応って体にとってはネガティブな反応になります。

それはストレス下から「逃げろ」という体の悲鳴であると考えられます。

たとえば、暑いという刺激を受けている状態であったとします。

体はこの状況を一刻も早く脱したいと思うわけです。

避暑するための行動を促すために、敢えてマイナスの反応を起こすのだと思われます。

 

ですので、この反応はないに越したことはないわけ。

乾燥、暑さ、寒さなどなどの外的刺激に晒されることは

老化を加速させることに他ならないのですから。

 

 

ザ・ギンザは環境刺激シグナルmiRNAを抑制する効果を桜葉抽出液に見出しました。

 

おそらくサクラエキスBという一丸ファルコスの原料になるのではないかな。

表示名は水、BG、ソメイヨシノ葉エキスとなります。

非常に高い抗炎症作用があります。

 

外的刺激→活性酸素→炎症→ストレス反応という流れになると思われますので、

高い抗酸化作用、高い抗炎症作用のあるものであれば、同様の効果はあると思われます。

UVケアと同様ですね。

紫外線も外的刺激ですからねえ。

 

 

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