敏感肌には特殊なアクネ菌が多い?!

敏感肌の一因が解明された?

資生堂と東京大学医科学研究所附属ヒトゲノム解析センターの共同研究にて、

敏感肌には、健康な肌に必要な表皮ブドウ球菌の生育を阻害する特殊なアクネ菌

が多いことの発表をしました。

 

敏感肌の菌叢を調べた結果、特殊なアクネ菌の割合が多いことがわかり、

そのアクネ菌は通常のアクネ菌と異なり、肌の善玉菌とされる表皮ブドウ球菌の

育成を阻害することがわかりました。

 

その結果、表皮ブドウ球菌の割合が減少し、アクネ菌の割合が増えるという

菌叢になっているとのこと。

 

敏感肌の直接的な要因としては、表皮ブドウ球菌とアクネ菌の割合の

バランスが崩れていることといえます。

 

その乱れの原因は表皮ブドウ球菌に対して抑制作用がある

特殊なアクネ菌の割合が高くなっていることによって、

アンバランス化していると。

 

 

この特殊なアクネ菌は抗菌ペプチドを作り出し、表皮ブドウ球菌の生育を

阻害しているとのこと。

 

 

なんでこのアクネ菌が増えるのか?という根本的原因はわかっていません。

非敏感肌の人でもこの菌は存在はしています。

なんで、阻害菌が増えるのかってのは気になるところではあります。

 

まあ、根本的原因がわからないので、敏感肌対策としてできることは、

表皮ブドウ球菌を増やすこと。

 

それには阻害菌を減らすか、抗菌ペプチドを抑制するかの二択になります。

 

 

資生堂は独自のスクリーニングによって、微生物由来エキスに阻害菌だけを

抑制する効果を見出したとのこと。

 

この微生物由来エキスの詳細はまだ発表されていません。

 

おそらくではありますが、微生物の発酵液には大なり小なり

菌叢を整える作用があります。

ですので、直接的に阻害菌だけをピンポイントで抑制するようなものではなく、

本来あるべき健常者の菌叢へと近づける効果なのではないかと。

 

健常者の肌には阻害菌は少ないわけです。

この微生物由来エキスによって、健常者の肌の菌叢へ近づけることができ、

その結果として阻害菌が減少するといった感じなのではないかと。

 

善玉菌である表皮ブドウ球菌ではありますが、それだけが増えすぎる

ってのはあまり望ましいことではないのでしょう。

肌の菌叢には多様性が求められるわけで、表皮ブドウ球菌が過剰に増えない

ようにするために阻害菌ってのも本来は必要な存在なんだと思われます。

 

肌の菌叢のバランサーであるはずの阻害菌が暴走することで

敏感肌になるって考えると何とも皮肉な話ですな。

 

 

【関連記事】

皮膚常在菌による肌炎症?

炎症性皮膚疾患である酒さの慢性化はレンサ球菌が原因?!

<<<前          次>>>