酒さ患者の皮膚では、健常な人と比べてレンサ球菌の割合が高い

日本メナード化粧品と藤田医科大学との共同研究によって、炎症性皮膚疾患である
酒さの慢性化に、皮膚常在菌叢の乱れが関与していることを明らかにしました。
酒さはお酒に酔ったみたいに顔が赤くなる症状で、原因がよくわかっていない
皮膚病の1つになります。
中年以降の女性に発症しやすいといわれており、放っておくと進行して
ひどい状態になるため、早期の治癒が欠かせないのですが、
原因が特定されていないので、治療も経験則によるものとなっているのが
現状です。
原因は複数あるにせよ、明確な原因が1つ提示されたということは、
酒さの方にとっては朗報となると思われます。
実験は23~70歳の酒さ患者女性19人と34~60歳の健常女性12人を対象とし、
皮膚常在菌の構成比を網羅的に調べるというもの。
菌叢を解析した結果、酒さ患者ではレンサ球菌の占める割合が健常な人よりも高いことが
明らかとなりました。
レンサ球菌は一般的な菌ですが、健常な皮膚には少数派であることから、酒さ患者では
皮膚常在菌叢のバランスが崩れている可能性があると示唆されたわけです。
レンサ球菌とは、Lactobacillales Streptococcusに属するグラム陽性球菌である細菌の総称。
乳酸菌に分類される菌属でもあるので乳酸を生成します。
皮膚では稀な存在ですが、口腔フローラ中で最も大きな比率を占めています。
上図のように健常者ではほとんど見られないのに対し、酒さ患者ではレンサ球菌の割合が20%
と非常に高い数値を示しています。
もうレンサ球菌が原因だって言ってもいいのでは?って状況ですが、
レンサ球菌を除去して症状が治まるか、もしくはレンサ球菌を移植して
症状がでるかって確認をしないといけないので、現段階では断定は避けているってわけ。
少なくとも、健常者との菌叢とは明らかに異なることから、
皮膚常在菌叢のバランスが崩れているのが原因とはいえるわけ。
それでも、鶏が先か卵が先かって感じで、レンサ球菌が増えたから
酒さの症状がでたのか、酒さになったからレンサ球菌が増えたのかは
判断しようがないので、あくまでも示唆されたとしか言えないわけです。
ただ、少なくとも今までとは異なるアプローチが有効かもって可能性が
生まれたことは朗報といってもよいのではないでしょうか。
従来は抗炎症剤によって炎症を抑えるか、血管収縮剤を使用するってのが
一般的な治療方法でした。
まあ、原因がよくわからんから、対処療法するしかなかったわけです。
今回の研究成果によって、肌の常在菌の菌叢を正すって方法が
根治療法につながる可能性がでてきたと。
メナードからは具体的な対策は提示されていないわけですが、
近いうちに製品化されるでしょう。
菌叢に影響を与える原料ってのはすでに色々ありますからね。
そういう意味ではナチュセラ零は酒さに対しても有効なのではないかと。
非常に高い炎症抑制効果があるとともに、肌の菌叢を正す成分として、
ブランクリアと酢酸菌発酵物が含まれています。
ブランクリアは肌の菌叢の多様化を促します。
レンサ球菌が20%も占めるとなると、菌叢の多様性は低下しているといます。
それを正せる力があるわけです。
酢酸菌発酵物はLPSを多く含んでおり、肌免疫を高めます。
免疫を活性化させることで過剰に増えている菌を減らすことができます。
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