乳頭層の重要
レチノールといえば資生堂、資生堂といえばレチノール。
というわけで、資生堂の研究発表になります。
「肌内外3D弾性イメージング技術」というちょっとよくわからん技術が資生堂にはあり、
これを使って、肌内部の状況を観察したそうな。
超音波を当てることで、内部の可視化をするんだとか・・・
その結果、真皮上部に位置する乳頭層を「繊細なやわらかさを持った状態」に保つことが
シワの予防にとって大事なことであることを明らかにしました。
シワの原因として紫外線が一番に上がってきますが、物理的なダメージも無視できない
ものなんだとか。
表情を作るときに生まれる物理的な圧もシワの原因とのこと。
乳頭層がこの物理的なストレスをクッションのように吸収することで、
下部への影響を防ぐ役割があることを明らかにしたと。
正直、そうだろうなーって感覚は誰しも持っていて、今回はそれを可視化したって
ことが大きな意味を持つわけです。
乳頭層ではⅠ型、Ⅲ型、Ⅴ型のコラーゲンが豊富に保たれ、
それぞれが相互に結びついて繊細な線維を形成しています。

花王の研究で、シワの形成と網状層の密度に相関関係があることが明らかとなって
いることから、乳頭層の弾力性で網状層を守っているってのは間違いないでしょう。
じゃあ、乳頭層のコラーゲンを増やすものを探そうってなって、
最終的にたどり着いたのがレチノールだったわけ。
もしかしたら、結論ありきで合った可能性もありますけどね。
レチノールの良さをアピールする手段を探していたみたいな。
ただ、気になるデータがあって、これは資生堂が同技術を使って、
出したデータなのですが、その時はシワは角層と真皮層弾性率のかい離によって生じる
って言っていたんですよね。
どういうことかというと、若い人は角質層も柔らかく、それ以下の部分も
柔らかすぎないんですが、年配の方は角質層が非常に硬く、それ以下は
逆に若い人より柔らかい。
この落差が激しいほどシワになりやすいってことを言っていたわけ。
レチノールによってシワの改善と同時に、弾性率の乖離も緩和されるとの
データがでています。
何が言いたいかっていうと、おそらくレチノールの予防効果を訴え、
より低年齢層にアピールしたいって魂胆だと思われます。

こんなデータもありまして、40代になると乳頭層の厚みが極端に
減ってしまう・・・だから20代、30代からレチノールを使おうって
言いたいんだろうなーと。
逆に言えば、レチノールで40、50代の人が20代の頃と同等の乳頭層に
することは無理だんだろうなーと。
されに言えば、予防効果があるかも知れないって示唆されたのであって、
予防効果が確認されたわけではないんよな。
レチノールを使い続ければ、シワができないとは言い切れないわけ。
それでもって人は是非とも被験者となって予防効果を確認して欲しいところでは
ありますが、予防で使うならレチノールを直接使うよりはレチノール誘導体である
パルミチン酸レチノールを使うのがまるいかなーと。
体内ではこの形で貯蓄されますので、過度なレチノールに曝されることがないので、
レチノイド反応が起こりにくく、レチノイド耐性もできにくいので。