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セラミド配合単層リポソーム

ヒト型セラミドをリポソームに突っ込んだ

富士フイルムが、独自の浸透型単層リポソームに「ヒト型セラミド」を配合した

「セラミド配合単層リポソーム」を開発したとの発表がありました。

正直、何故??と思ったかな・・・

 

リポソームとは二重膜構造をした生体膜のことで、体の中ではリン脂質を

主成分に構成されています。

リン脂質は親水基と疎水基でできており、上図のような構造を取ります。

内側は水、黄色の部分は脂質になります。

 

単層リポソームは文字通り、単一の膜で構成されたリポソーム。

通常、セラミドをリポソーム化する時は多層リポソームとなります。

リポソーム化するときに水添レシチンを主成分として使うと

多層になりやすいです。

相対的に油層が多くなるので、セラミドにとっては都合が良いです。

 

もともと富士フィルムは単層にこだわっていました。

水溶性の成分を肌の奥へ届けるには、水分の入るスペースが広いほうがよい。

 

上図を見てもわかるように、単層のほうが多くの水分をリポソーム内に保有できる

ってわけです。

 

そういう経緯もあり、単層リポソームにセラミド入れたわけです。

なんかちょっと前に、同じことをして、リポソームが安定化するとかなんとか

って記事を見たような気もする・・・

 

えっと、多層リポソームにアシルセラミドを入れるとリポソームが安定化する

って発表をノエビアがしていたわ。

 

で、セラミドを入れた単層リポソームは水分蒸散抑制能がアップした、

角質層のセラミドが増えたってデータを出しています。

うん、そりゃそうだろとしか・・・

セラミドが含まれているわけですから、角層のセラミドは増えるし、

セラミドが増えれば、保水性も高くなるわけで。

 

あくまで、従来の単層リポソームと比較して、

パワーアップしたよってことがいいたかったのかな。

多層リポソームとの比較であれば、面白いデータだったんですけどね。

 

 

単層リポソームを使いたい、使っているのをアピールしたいってのは

わかるんですけども、セラミドをリポソームの形で配合するの?

ってのが個人的な疑問。

 

富士フィルムといえば、独自の技術でセラミドをナノ化しており、

リポソーム化を使用しなくてナノ化している唯一の会社だったわけ。

セラミドをナノ化して、ジェルに均一に分散させる技術は他にはなくて、

富士フィルムの化粧品の代名詞でもあります。

 

今後は単層リポソームで製品開発していく流れになるのかね?

セラミドなら多層のほうが都合がいいんですけど、敢えて単層を推すと?

 

研究部門が独立しているから、あんまりマーケティングのことは

気にしていないのかもなー

 

これから開発がどうやって製品へと落とし込むか頭を悩ませるのかもね。

今頃、頭を抱えていることでしょう。

 

 

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