エンテロコッカス菌が肌に悪さをしている?!
コーセーとミルボンの共同で、皮膚常在菌の1つであるエンテロコッカス菌が
肌の炎症を引き起こすことを確認し、エンメイソウエキスにより、
この炎症を抑制できることを見出したとの発表がありました。
ミルボンは日本人女性の頭皮の菌叢を分析した結果、エンテロコッカス属の菌の
割合が多い人ほど、頭皮が硬く、毛髪のうねりが強い傾向にあることを明らかにしています。
ミルボンではエンテロコッカス菌を「老化菌」と名付けて研究しているんだとか。
エンテロコッカス菌は乳酸菌の一種で、グラム陽性の球菌。
ヒトの腸内では、E. faecalisとE. faeciumが存在しており、
E. faecalisは9割以上を占めています。
皮膚常在菌として存在してはいますが、比率は低いため、
あまり注目されてこなかったそうな。
エンテロコッカス菌と顔の肌状態の関係を調査するため、20~70代の日本人女性220名を対象に
同菌が顔に存在する人、存在しない人に分け、水分量、皮脂量、シミスコア、シワスコアなどの
肌状態の違いを比較するという実験を行いました。
その結果、エンテロコッカス菌が存在する人には、目の下のシワスコアが大きい、
鼻のテカリスコアが大きいなどの肌状態の違いが認められたとのこと。
このデータは公開していないのな。
表皮細胞とエンテロコッカス菌を一緒に培養した場合、
細胞生存率が僅かに減少したことから、表皮細胞には良くない影響があると
考えられます。
エンテロコッカス菌と一緒の培地ではIL-1αやTNF-αなどの炎症誘発因子の
発現が多くなっていたとのこと。
肌においてエンテロコッカス菌は排除すべき菌ってことで、
炎症が誘発されるってなわけです。
結果として、エンテロコッカス菌がいると炎症が起こって、炎症は老化を促進しますから、
エンテロコッカス菌がいると老化が進むってわけ。
この原因を探求するため、エンテロコッカス菌とともに表皮細胞を培養し、その生存率やどんな遺伝子に変化があるかを調査した。その結果、エンテロコッカス菌によって表皮細胞の生存率の低下が確認された。これは皮膚常在菌においてメジャーな存在である表皮ブドウ球菌のときは起こらない現象であり、エンテロコッカス菌によって引き起こされるものであると考えられる。また、この菌の産生する代謝物を含む培養上清や、死んだ菌でも検証したところ、細胞生存率は低下せず、これは生きたエンテロコッカス菌の働きにより表皮細胞が受ける影響であることがわかった。
エンメイソウエキスはエンテロコッカス菌による炎症を抑制する効果を見出したわけですが、
エンメイソウエキスには菌の増殖を抑える作用はなかったとのこと。
どういうことかというと、菌の活性を邪魔することなく、
炎症だけを抑えるという効果がエンメイソウエキスにはあるってこと。
抗菌作用で炎症を抑えているのであれば、抗菌剤でよくね?って話になるわけで。
当然、抗菌性ってのはどの菌に対しても程度の差はあれど、影響するわけです。
善玉菌といわれる表皮ブドウ球菌の活動も阻害してしまう恐れがあります。
しかしながら、エンメイソウエキスであれば、菌叢への影響はなく、
炎症だけを都合よく抑えてくれるってことで画期的な発見だと主張しているわけです。
それなら抗炎症剤でよくね?
と思わなくもないのですが・・・
抗炎症効果のある植物エキスとか色々ありますしね。
原料では一丸ファルコスがファルコレックス エンメイソウって
製品名で販売しております。
植物エキスはだいたいここで揃うんよなー
表示名称は水、エタノール、ヒキオコシ葉/茎エキス
エンメイソウってのは延命草って書くわけで、病人を引き起こすって言われており、
ヒキオコシという別名もあります。
効果としては、抗炎症作用があることが確認されています。
とはいえ、そんなに高い効果ではないです。
エンテロコッカス菌に対する炎症抑制効果ってのに特化していると
いってもいいと思われます。
エンテロコッカスフェカリス(E. faecalis)って化粧品原料にもなっており、
これまた一丸ファルコスで扱っているラ・フローラ EC-12って原料。
サプリの原料はコンビが販売しているのですが、化粧品原料は一丸に販売委託を
されているってなわけです。
加熱処理した死菌ですので、化粧品に使用しても悪さをするってことは
ないとは思いますけどね。
善玉菌である表皮ブドウ球菌を増やす効果があるとは言われています。
実際にヒト試験でエビデンスのある唯一の原料ではあります。
懸念としては、エンテロコッカス菌にも良い影響があるんではないか?
ってことですかね。
その辺は調べられていないので、「わからない」としか言えません。
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