角層と皮膚常在菌の新たな関連性が解明された?

P2角質細胞

プレスリリースで流れてきたんですが、ファンケルが角層と皮膚常在菌の

新たな関連性を解明したとの発表があったそうな。

正直、タイトルが間違っていると思ったわけなんよ。

だって、皮膚常在菌って関係ないんよなー

 

公式の発表によると、肌状況と常在菌の関係性を調べていたら、P2角質細胞という

ものを見出したと。

P2角質細胞と常在菌がどのような関係性にあるのかは、一切語られていません。

P2角質細胞が肌状況の指標となるっていう発表をしているに過ぎません。

 

皮膚にシールをはって、ベリッとやって角質細胞を採取して、

それをFACS法にて細胞の複雑性、細胞の大きさで分布図を作ったところ、

単純かつ小さい細胞の存在を確認しました。

その細胞をP2角質細胞と名付けたわけです。

 

FACS法(Fluorescence activated cell sorter)とは、レーザー光を使って

細胞1個1個を調べるみたいなやつです。

 

ファンケルが命名しているのですが、名前の由来は不明です。

 

 

健常肌とアトピー患者の患部とそうでないところを比較したところ、

アトピー患者の患部でP2角質細胞が多く存在しているほか、

患部周辺部でも多く存在していました。

 

つまり、アトピーの症状が重篤なほどP2角質細胞が多くなる傾向になると共に、

P2角質細胞が多い肌は今後アトピーになるとの予測が可能になるってことが

分かったというわけです。

 

現段階でこれがアトピーの改善に役立つってことはないです。

P2角質細胞なるものができないようにする、もしくは減らすような

成分の選定が今後行われるのかな?

 

 

ここからは個人的な考察ですが、P2角質細胞の正体について考察していこうかなと。

 

細胞が複雑でないってどういうこと?ちょっと想像しにくいと思います。

細胞内には核をはじめミトコンドリアや小胞体などなど、色々な小器官が存在します。

角質細胞は基本的には死細胞で、これらの小器官は存在しません。

正確には分解されてしまいます。

かつての小器官の残骸が多いか少ないかで、細胞の複雑性ってのが

評価されているのだと思われます。

 

つまり、P2角質細胞は表皮細胞の時から、中身が充実していなかった、

不完全な細胞であったと推測されます。

大きさも小さいということからも、その裏付けになると思われます。

 

これが何を意味するかというと、アトピーは角層下ですでに始まっている

ってなわけさね。

 

ステロイドなどで炎症を抑えたとしても、治らないってのは

そういうところも関係しているのかもね。

 

逆に言えば、P2角質細胞が生まれる原因を解明し、

その原因を潰すことが可能になれば、アトピーの根本的な

改善が可能になるかも・・・しれません。

 

今後の動向は要注目です。

 

 

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