アルテロモナス発酵エキス
この原料、使い始めてもう10年経つのなー
時間の流れはなんと早いこと。
ABYSSINE® PF BGSって名前も若干変わってるんですよね。
原料確認したら、変わってたわ。
BGSが何の意味かはわからん。
新しいデータも出ていたので、改めてご紹介。
メキシコ沖 深海2,600mにて見つかったアルテロモナス マクレオディ(ver657)
という菌がありまして。
この菌が深海という非常に過酷な環境下でいきるためにディープサン(Deepsan)という
多糖類を放出しています。
このディープサンは新規の多糖類で、フランスの研究機関で色々と調べられ、
ヒトの肌にとても有益であることが証明され、化粧品原料となったという経緯があります。
非常に高い抗炎症作用があるのですが、それだけではないのです。
なお、抗炎症のメカニズムはICAM-1の上昇を抑制することで
免疫細胞の暴走を抑えます。
ICAM-1は糖タンパクの一種で、細胞間接着因子です。
炎症シグナルで最初に上昇する成分になります。
頭の部分で抑えるために、非常に高い抗炎症作用を示すってなわけ。
深海でも生きれるくらい、高いアンチポリューション作用が期待できるとのことで、
ランゲルハンス細胞を保護する効果が確認されています。
ランゲルハンス細胞は皮膚に存在する免疫を制御している樹状の細胞。
これがすべて消失するくらいの紫外線を当てても
2%アビシンを添加した場合は、100%ランゲルハンス細胞を保護する
というデータが公開されていました。
ランゲルハンス細胞が全部死ぬっていう紫外線に曝されることは、
まあないとは思いますが、アビシンを塗っておけば安心だねって話。
ランゲルハンス細胞は免疫を制御しているので、なくなれば
激しい炎症が誘発されます。
炎症を抑えることは、コラーゲンやヒアルロン酸等の肌の構成成分の
分解を抑えることに繋がります。
炎症は老化の始まりといわれるくらいですからね。
実際にどのくらいの抗シワ作用があるのか調べた結果、
アビシン 0.03%の濃度でEGFと遜色ないどころか、EGFの効果を超えています。
また、同じく0.03% でレチノイン酸と同等の効果をもたらしました。
レチノイン酸ってのはレチノールの上位互換で、実際に作用するときは
レチノイン酸に変換されて初めて効果を発揮します。
その作用はレチノールの100倍といわれており、医薬品でしか使用できません。
レチノイド反応がないどころか、抗炎症作用もあり、
レチノイン酸と同等の効果があるなら、これでよくない?
まあ、医薬部外品の有効成分にはならんし、その他の成分でも使えないんだけどね。
炎症を抑えるってことは、美白効果もあるわけです。
紫外線があたる⇒細胞死ぬ⇒活性酸素の発生⇒炎症⇒メラニン生成って流れなので、
抗酸化作用があるもの、抗炎症作用があるものってのはメラニン抑制効果が
大なり小なりあります。
アビシンのチロシナーゼ阻害効果はアルブチンと同等。
正直、高いわけではないです。
ヒト試験では肝斑への効果が調べられており、4週間で薄くなるとの
結果がでています。
この作用機序は全くわかりません。
何で肝斑で調べたのかも謎。
ストーリー性もあり、効果も高く、マルチに効くわけで
とても優れた原料です。
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