それ則ち「ガン化」です
幹細胞を不死化して、その培養液を化粧品原料として販売されています。
正直、大丈夫なのか？と思ってしまうのですが、一般的には
細胞を不死化するって言われてもピンっとこないのではないでしょうか。
ここでいう不死化ってのは、１つの細胞が死なないってわけではなくて、
永遠に分裂して増え続けることができるという意味。
細胞には寿命があり、ある一定回数分裂すると分裂することができなくなります。
細胞分裂の回数を決めているのはテロメアであり、テロメアが細胞の寿命に
関与しているって説が今のところ、通説となっております。
ヒト幹細胞培養液を作る際、当たり前ですがヒトから幹細胞を採取する必要があります。
しかも、１度採取したマスター細胞は寿命があるため、培養を繰り返すほど、
弱くなっていきます。まあ、老化するってわけさね。
あまり大きな声ではいえませんが、一番最初の培養液と、ｎ回目の培養液は
もはや別物といってもよいです。
産生される有効成分の量が経時的減っていきます。
採取するのは非常に手間であり、かつお金もすごくかかります。
苦労して手にした細胞は、徐々に劣化していきます。
そこででてきたのが細胞の「不死化」
不死化させることで、半永続的に安定して培養液を作り続けることができる
まさに革命的な技術だったわけです。
この細胞の不死化って現象はわりと身近で起こります。
不死化した細胞を一般的には何て呼ぶかというと、「ガン細胞」っていうんです。
不死化＝ガン化
比喩的な表現ではなくて、まさにイコールであり、
呼び方を変えただけのものになります。
通常の細胞は秩序があり、無意味に増殖することはないです。
一方、ガン細胞は無秩序に増え続けます。
しかも、寿命という枷が外れた状態なので、一生増殖することができます。
細胞培養液を作る際には、非常に効率的でよいってことで
済ませてよいのか？
①ウイルスの失活化はちゃんとされているの？
細胞を不死化する方法は、いわゆるガン化させる方法と同じです。
紫外線、放射線、発がん性物質などなどを用いて不死化させるんですが、
効率がよくはないです。。
それで細胞が死んでしまうことのほうが多いですから。
そこで、確実性の高い方法として、ウイルスを感染させるというものが使われます。
ガン化させるウイルスってのが存在しており、細胞にそれを打ち込めば
高い確率で不死化させることができます。
当然、このウイルスは培養液には含まれないようになっているとは思いますが、
万が一ってことがあるかも知れないって懸念はあります。
②ガン細胞由来のサイトカインなんですけど
サイトカインとは情報伝達物質となるもので、増殖因子なんかもサイトカインの一種です。
ガン細胞は増え続けるわけですから、EGF、FGFなどの増殖因子をたくさん放出します。
ですので、通常の幹細胞培養液よりもたくさんの増殖因子を含みます。
まあ、それはよいことなのかもしれませんが、
炎症性サイトカインも大量に作ります。
TNF-α、IL-1、IL-6などなど・・・
本当に肌にとってよいものだといえるのかな？
③ガン細胞由来のエクソソームってやばくね？
不死化幹細胞培養液には非常に種類が豊富で、かつ量も圧倒的に多いといわれます。
エクソソームは昨今注目度の高いワードではあり、エクソソームが多いってことは
良いことだって考える人は多いでしょう。
エクソソームとは細胞間での情報交換物質。
指示書みたいなもので、それを受け取った細胞が指示通り動くってもの。
「コラーゲン作って」とか「基底膜直して」とか、
そんな指示が含まれているから、肌に良い効果があるんですが・・・
ガン細胞がそんな指示書を飛ばすかって話。
実際にガン細胞は非常にたくさんのエクソソームを放出します。
ガン由来のエクソソームはどのような指示を飛ばしているかというと、
〇ガン細胞の生存や増殖に適した環境にする
〇免疫細胞の機能を阻害する
〇ガン細胞に栄養を供給するために新生血管を形成する
〇ガン細胞の転移を促す
〇ガン細胞が移転しやすい環境を作る
そのエクソソーム、本当に肌のためになるのかい？
まあ、これらの問題はきっちりクリアしてるから製品化しているとは思います。
増殖因子の量が凄いので、差し引きしてもプラスに働くかもしれませんので、
効果はあるのかもしれません。
個人的にはおススメしませんが。
最初はちょっと気持ち悪いってだけで、問題はないかなー
と思っていましたが、エクソソームが段違いに多いとなると
話しが変わってくるんよな・・・
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