肌の幹細胞を増やす成分としてジグリセリドを特定
日本メナード化粧品株式会社の研究発表になります。
同社は西洋実ザクラの種子から抽出したエキスに肌の幹細胞を
増やす効果があることを見出していました。
今回、このエキスを解析した結果、幹細胞増殖効果に関わっている成分として
ジグリセリドと呼ばれる脂肪酸エステルを同定したというお話。
ジグリセリドとは何か?って話ですが、一般的な脂肪は
トリグリセリドと呼ばれるもので、グリセリンに脂肪酸が3つ
くっ付いている状態になります。
トリってのは3って意味になります。
ですので、ジグリセリドのジは2を意味しており、
グリセリンに脂肪が2つくっついているものになります。
特定されたジグリセリルの例は、パルミチン酸+リノレン酸のものと
オレイン酸+リノレン酸のもの。
おそらくではありますが、組み合わせに関係なく、ジグリセリルには
肌の幹細胞を増やす効果があるのだと思われます。
まあ、大小の差はあるかもしれませんけどね。
摂取した油脂は体内でリパーゼによってグリセリンと脂肪酸に分解され、
体内に吸収されると考えられていました。
しかしながら、近年ではジグリセリドやモノグリセリドの状態でも
吸収されることがわかっております。
また、自然界でもわずかながら、ジグリセリド、モノグリセリドが
含まれているとされます。
in vitroの試験ではパルミチン酸+リノレン酸のジグリセリドでは
幹細胞が2倍に、オレイン酸+リノレン酸のジグリセリドでは
幹細胞が1.6倍くらいとの結果に。
まあ、西洋桜種子エキスを使用してくるのは変わらないので、
ジグリセリルを単体で投入してくることはないと思います。
ジグリセリルは合成で作ることができます。
有名なところだとジステアリン酸グリセリル。
ステアリン酸グリセリルは一般的に使われる乳化剤の1つ。
こちらはモノグリセリルですが、ステアリン酸を足すことで
ジステアリン酸グリセリルとなります。
ジステアリン酸グリセリルは油剤という扱いになります。
これに幹細胞を増やす効果があるかどうかは定かではないですが、
大なり小なり効果はあるだろうなーと。
普通のオイルにも数%は含まれているので、美容オイルの効果ってのも
もしかしたらジグリセリルによるものなのかもしれません。
ぶっちゃけ、幹細胞培養液よりもよい結果がでているほか、
合成で如何様にも作れるので、今後の動向には注目したいところではあります。
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