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細胞老化が結合型セラミドを減少させる?!

加齢による肌乾燥のメカニズムが明らかに

大正製薬が加齢による肌の乾燥に関する研究を進める中、

細胞の老化が肌のバリア機能の低下を誘導し、その変化に

結合型セラミドが関与することを発見したとの発表がありました。

 

結合型セラミドとは、角質細胞と結合しているセラミドで、

細胞間脂質と角質細胞をつなげている非常に重要な役割をになっている

セラミドとなります。

 

セラミドが規則正しく並んだ状態を維持できるのも

結合型セラミドあってのことで、これがないと非常に脆く、

バリア機能、保水作用を維持できません。

 

そんなバリア機能の要ともいえる結合型セラミドが

老化によって著しく減少するんだとか。

 

致命的なダメージを負った細胞は増殖することができなくなります。

致命的なダメージとは、復旧不可能なDNAの欠損で、このまま増殖してしまうと

個体とは異なった細胞となってしまいます。

まあ、言い換えればガン細胞です。

ガン化しないよう、自ら増えないようななった細胞を

老化細胞と呼びます。

 

この老化細胞は本来は免疫等で処理されます。

しかし、加齢によって老化細胞が処理されなくなると、

老化細胞はSASP因子を放出し続けます。

これは本来はここに処理するべき老化細胞があるよっていう

メッセージではあるのですが、これは炎症を促します。

 

この炎症が周りの細胞へのストレスとなり、

ダメージを与えることとなり、結果として周辺の細胞を

老化細胞へと変えていきます。

 

そんな老化細胞は結合型セラミドにも悪さをしていたってのが

この研究での発見になります。

これまたキレイなデータがでていますね。

通常のセラミド(セラミドNS)では量的には大きな変化はないのですが、

結合型セラミドは顕著に減少しており、老化細胞の割合が高いとき

なんてほぼゼロになっています。

 

通常の炎症部ではセラミド分解酵素の活性が高まり、

セラミドの量が減る傾向にあるのですが、

通常の炎症とは異なる、独特な反応となります。

 

何が原因か?ってのはここでは分かりかねるわけですが、

セラミドの装飾部分で問題が起こっていると思われます。

アシルセラミドをエポキシアルコール型に変える段階か、

もしくはエポキシケトン型に変化させる段階か、

そもそもアシルセラミドを作る段階で問題が起こるのか、

それらが複雑に絡み合ってのことなのか、

 

まあ、いずれ答えは出るでしょう。

 

 

現実的な問題として、結合型セラミドは塗布で補うことはできないということ。

手っ取り早く結合型になるのがアシルセラミドを補うことではあるのですが、

老化細胞が多いと、結合型セラミドを作らないってこと。

 

結合型セラミドはバリア機能の土台となるわけですから、

ここがおろそかになっていると、いくらセラミドを取り入れても

乾燥がよくならない、ということが起こります。

 

解決策としては、老化細胞を減らすか、結合型セラミドの合成を

邪魔しないようにするかの二択となります。

 

大正製薬はおそらく後者のアプローチを研究していくことになるんでないかな。

 

 

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