培養液は優秀って話

培養液には基本的な成分は含まれています

とある化粧品のお話で、とある成分に着目して作った化粧品になります。

その成分は微生物から動植物まで、あらゆる生物に存在している成分。

その成分を添加すると、細胞の増殖が活性化、コラーゲンが増えたとのこと。

 

で、その成分が含まれているのが発酵液でしたと。

 

コラーゲンの生成が促進されるって現象は、

その工程に様々な物質が関わっています。

コラーゲン合成酵素、その補酵素であるビタミンC、

コラーゲン生成の調整をしている女性ホルモン。

この辺はわかりやすいところですが、

コラーゲン遺伝子の発現を促す物質、

コラーゲン遺伝子を転写したm-RNAから翻訳を促す物質、

合成したコラーゲンを特定の場所に運ぶもの、などなど。

 

これはエネルギー生成のかかわる酸化還元酵素なので、

コラーゲンを合成するにはエネルギーが必要ですので、

エネルギー供給が増えることで、コラーゲンの産生が増えるってわけ。

 

まあ、コラーゲンの生成が増えたという1つの事象に対し、

その要因は多岐にわたるという話。

 

細胞の仕組みというのは、微生物から動植物において、

多くが継承されているわけです。

 

つまり、細胞培養液は、細胞に必要な成分のほとんどを含んでいるというわけ。

熱に弱いものは殺菌の工程で壊れてしまいますが、それを差し引いても、

有用な成分が色々含まれているわけです。

 

今回は酵母の発酵液でしたが、これが酵母の培養液でもそんなにかわらんと思います。

おそらく植物の培養液、よくある幹細胞培養液とかでもね。

 

細胞の基本的な仕組みは一緒ですから、

細胞培養液ってのは基本的には非常に有用ってことです。

 

菌培養液・・・乳酸菌、酵母、麹などの培養液。

培地にコメを使えばコメ発酵液、ダイズを使えばダイズ発酵液になります。

メリットは細胞の数が圧倒的に多いので、基本的な成分が多く取れる、

培地の発酵物から特殊な成分が取れるというのがあります。

デメリットとしては、殺菌処理が必須になるってこと。

まあ、フィルターによる菌の除去をすることはできるんですが、

それをしているかどうかは、判断できないので。

 

植物幹細胞培養液・・・植物はカルス化が簡単で、あらゆる植物の幹細胞培養液が

存在しています。

メリットは無菌状態で行う必要があるので、必ずしも熱殺菌を必要としないこと。

また、植物特有の成分を含んでいること。

デメリットは高価になってくるので、たくさん入れれないってとこかな。

 

ヒト幹細胞培養液・・・動物のはヒトしかないかな。

動物細胞の培養ってのが色々面倒というか、菌や植物と違って、

まあ、デリケートなわけっすよ。

動物の培養液を使うなら、プラセンタエキス使ったほうがよいですから。

プラセンタエキスも細胞培養液と同様、基本的な成分は含まれており、

その濃度も高いので、非常に優秀です。

用途にもよりますが、培養液よりもプラセンタエキスのほうが優秀と

いってもよいかな。

 

さて、ヒト幹細胞培養液は色々な部位のものがありますが、

繊維芽細胞の幹細胞以外は大きな違いはないです。

皮膚となる繊維芽細胞の幹細胞はまさに皮膚に必要なものを

ピンポイントで揃えられるので、非常に効果があります。

 

ただ、非常に高額となるので、費用対効果では他の培養液に大きく劣ります。

高い効果も、残念ながら原価の壁によって、活かしきれないわけです。

まあ、1本10万円とかで売れれば可能ではありますが、

消費者の負担が大きすぎなので、現実的ではないですよねー

 

 

昨今、新しい原料を作るために、新しい切り口ででてきますが、

基本的には培養液に含まれていますよ、ってな話です。

 

 

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