植物セラミド、つまりグルコシルセラミドの話
サプリメントの原料の話なんですけど、
植物セラミド、つまるグルコシルセラミドの原料は
当然粉末原料になります。
グルコシルセラミドはあらゆる生物から抽出できるんですけど、
抽出できる量は微量で、抽出効率は悪かったわけです。
もっとも使われている一丸ファルコスのコメセラミドは
グルコシルセラミドの含有量は1%と10%の2種類あります。
この10%ってのは多いほうで、ほとんどは1~5%程度になります。
濃度が2種類あるのは、価格差が10倍になるので、
用途に合わせて選択することになります。
まあ、たいていはどっちかしかOEMメーカーは在庫を保持していないでしょうが。
そんな中、2014年にオルガノ株式会社、日本製粉株式会社と共同で、
米ぬかから95%以上の高純度セラミドを工業的に連続生産する技術を開発した
ってなニュースを見た気がしたんですよ。
クロマト分離技術、簡単に言えば、紙だかゲルだか知らんけど、
その上で分子を移動させることで、分子の大きいものはゆっくり、
小さいものは早く移動するので、それを利用して特定の分子だけで
抽出する技術になります。
うーん、イメージしにくいか。
とにかく、高純度のグルコシルセラミドを抽出することができるようになったと。
で、この原料、どこで売ってるんだろう?
使っているところあるのかな?と思ったので、調べてみました。
結論からいえば、原料売ってないし、使用しているとこないんですよね。
まあ、原料売ってないから、使えないよな、そりゃ。
グルコシルセラミドの推奨量は0.6~1.8mg/日といわれます。
1%品であれば、60~180mg配合させないといけないのですが、
95%品であれば0.63~1.9mgの使用でよくなります。
カプセルに詰めれる量には限りがあり、そのスペースを確保するとともに、
効果も担保できるってわけです。
その点はメリットといえるかな?
ただ、デメリットは価格面。
10%品のグルコシルセラミドで数十万するわけです。キロ当たりね。
それが10倍の濃度になるので、値段も10倍となるわけですよ。
下手に工程増えてるから、10倍では済まないかもしれません。
95%品が10%品と変わらないってのであれば、
そりゃほとんどの企業が切り替えするでしょうから、
実際問題、価格の優位性があったとは考え難いです。
ほとんどは研究用途になってて、一般流通には乗ってないんでしょうな。
あとは、エビデンスを1からとらないといけないってのも難点か。
各種メーカーは、がっつりエビデンスを用意して、
機能性表示食品として使用できるようにしています。
グルコシルセラミドの市場では、エビデンスがあって当たり前。
機能性表示食品として使えない状態では、ニーズはほぼ皆無になるでしょう。
まあ、そのせいで価格が高いんですけども・・・
【関連記事】