たるみを進行させるタンパク質

グレムリン2

日本メナード化粧品と藤田医科大学との共同研究で、

たるみを進行させるタンパク質を見つけたとの発表がありました。

その名もグレムリン2(GREM2)。

 

グレムリンといえば、悪戯好きの妖精で知られており、

機械が原因不明の異常をきたすことをグレムリン効果なんて

いったりします。

 

まあ、それに因んでつけられたかはわかりませんが、

~リンってのはタンパク質でよくある名前なので。

血液凝固因子であるフェブリン、天然保湿因子となるフェラグリンなど。

基本~inとなるんかね。プロテインとか。

 

加齢にともない、GREM2が増えていき、これが幹細胞の分化を抑制、

コラーゲンなどの生成も抑制されて、皮下組織を維持できなくなって

たるみが進行することから、たるみの原因がGREM2である、と。

 

正確には間葉性幹細胞から脂肪細胞になるのを抑制した、とのデータになります。

化粧品の原料でもよくみる脂肪細胞順化培養液ってありますが、

脂肪細胞になる幹細胞ってのは比較的入手しやすいわけで、それを実験で

使用したのだと思われます。

 

脂肪幹細胞をGREM2あり、なしで培養した結果、

ありだと脂肪細胞への分化が抑制されたと。

in vitroの実験ですね。

 

加齢に伴いGREM2が増殖するのは間違いないみたいで、

なんとGREM2をコードしている遺伝子が存在するそうな。

この遺伝子を抑制することで、脂肪細胞への分化は改善されるそうな。

 

で、GREM2が増加するⅥ型のとコラーゲンが減少する傾向にあることが

in vivoで確認されています。

このⅥ型コラーゲンはネット状の構造を形成しており、

皮下組織を支えるのにとても重要になってきます。

 

GREM2が増えると、Ⅵ型コラーゲンが減少し、

皮下組織を支えれなくなり、たるみの原因となるわけです。

 

 

まとめると、

・間葉系幹細胞の脂肪細胞への分化をGREM2が抑制する

・加齢にともない皮下脂肪のGREM2の発現量は増えている

・GREM2の発現量を減らすと間葉系幹細胞の分化能は改善する

ってのがわかったわけです。

 

最初、老化タンパク質のことで、糖化したタンパク質かなんかじゃね?

と思ったんですよね。こいつらも老化の原因で、色々悪さをするわけですが、

遺伝子が存在するってことなので、これらとは別物になります。

 

つまり、プログラムされている老化の1つってことになります。

 

老いて死ぬように生き物はプログラムされており、

その遺伝子をONさせない、ONするのを遅らせるってのが

今後のアンチエイジングにおける課題となってくるのかなー

なんて思ったわけであります。

 

今後、GREM2にアプローチするような商品が開発されていくと思いますが、

残念ながら、何本も走っている老化プロセスの1つでしかないので、

効果は限定的かつ劇的ではないものになると思われます。

 

遺伝子発現を抑制できるものが見つかれば、

もしかしたら劇的にたるみを予防できるかも・・・

まあ、あくまで予防になっちゃいますけどね。

 

 

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