セラミドでコーティング?

セラミドでコーティングしたミネラルとは、いったい・・・

とあるファンデーションの謳い文句で、

ミネラルをセラミドでコーティングしている・・・と。

まあ、そこの独自技術らしいんですけども。

 

俄かには信じられない話ですので、これがどういうものか

ってのを考察していこうと思います。

メーカー曰く、こんな感じになっているとか。

だから、均一に並んで、セラミドがバッチリ保湿とバリアを張るので、

すごくいいぜ!って話らしいです。

 

まず、セラミドは水にも油にも溶けにくい性質があります。

当然ながら、ミネラルにセラミドを直接付着させることはできません。

おそらく、ここでいうミネラルは酸化チタンか酸化亜鉛、

もしくはその両方かな。

 

糊の役目をするものが必要となります。

 

おそらく、図がミスディレクションを誘っているんじゃないかと。

実際の図はこんな感じになると思われます。

ミネラルはナノ化されているものだと思われます。

表面積は小さければ、小さいほどよいですから。

逆に大きいとセラミドの必要量が指数関数的に増えてしまうわけで。

 

で、それをリポソーム化しているのではないかと。

水添レシチンが含まれていることから、

まあ、間違いないとは思います。

 

ミネラルの周りは油で、そこにセラミドが溶け込んでいる状態。

だからセラミドでコーティングしているといっているんでないかな。

 

 

メーカー曰く、こんな感じになるとイメージしているとのこと。

これなら、確かにすごく良さ気ですよね。

 

ただ、処方を見る限り、リポソーム化しているものは微量だと思われます。

リポソーム化には水添レシチンなどの二重膜を作る界面活性剤が、

中に入れるものの何倍も必要となります。

にも拘らず、水添レシチンの順番がセラミドよりあとなので、

1%未満の順不同となっています。

 

つまり、すべてのミネラルがセラミドでコーティングされているわけではないのです。

そもそも、そんなことはいっていません。

 

ぶっちゃけ、このリポソーム化したミネラル、おそらくは酸化亜鉛は

肌のなかに浸透しちゃうと思います。

ファンデーションなのにセラミドが補える、ただし酸化亜鉛も一緒にね

って感じとなるので、手放しで喜べるものなのかは疑問。

 

実際に取り寄せてみましたが、正直、よくわからん。

使用者曰く、「使用すると午後には乾燥してくる」ので、

単体での使用は望ましくないとのこと。

 

仮にセラミド100%の粉末を手に入れたとしましょう。

それを直接肌に塗って、意味があるのかって話。

セラミドは水にも油にも溶けないので、肌表面に留まります。

で、こいつにバリア機構や保湿効果があるかというと、

ないです。

 

ラメラ構造をとって、初めてセラミドはその効果を発揮するわけです。

ミネラルをラメラ化したセラミドでコーティングできて、

はじめて、意味をなすわけですよ。この場合ね。

 

ただ、それは技術的に超難題であり、現段階では不可能。

まあ、金に糸目をつけなきゃできるかもですが。

 

また、肌への親和性が滅茶苦茶高くなるから、

浸透しちゃうので、ファンデーションには向かないですけどね。

 

 

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