ニキビと過敏性腸症候群の関係

胃腸の不調は肌に現れる

「Journal of Cosmetic Dermatology」オンラインに掲載された、

尋常性ざ瘡(ニキビ)と過敏性腸症候群の関連を調査した研究報告について。

 

内容は、過敏性腸症候群とニキビの重症度の関連性を調べたものになります。

 

尋常性ざ瘡患者300人、健康な対象者300人をサンプルで用意。

患者グループのうち183人(61%)、健康グループのうち84人(28%)が

過敏性腸症候群と診断されたそうな。

 

さらに、患者グループ内での比較で、過敏性腸症候群のほうがニキビの重症化の

傾向にあるってのが統計的に有意な差がでたとか。

 

過敏性腸症候群ってのは、炎症や腫瘍といった明らかな異常が見られないけど、

便通異常が慢性的に起きている症状の総称。

慢性的な便秘、またその逆の下痢や、お腹が張る、腹痛が起こるなどの

不快な症状のことです。

一般的には病気ではないけど、その手前ってことで未病の症状として挙げられます。

 

まあ、改めて言われなくても、そりゃそうでしょって話ではありますが、

その辺を認識している人って、あんまりいないような気もします。

 

ニキビに限らず、毛穴がーとか、肌荒れがーとかの問題解決に、

化粧品に頼ろうとする傾向が強くみられます。

 

化粧品のメリットとしては、直接的に影響を及ぼせるってのがありますが、

あなたの胃腸からの影響に比べれば、正直、微々たるものでしかないです。

本当にキレイになりたいなら、胃腸を健全にする必要があるんですよ。

 

たいして何もしていなくても、肌がキレイな人っているじゃないですか?

そのほとんどは、胃腸が非常に丈夫な場合が多いです。

まあ、胃腸を丈夫にすることは、どんなケアにも勝るってわけさね。

 

理由の1つは、肌と内側ってのは繋がっているわけなんですよ。

口内、食道、胃、小腸、大腸、肛門は皮膚の一部なわけ。

口内炎ができやすい人は、肌でも吹き出物ができやすいですし、

胃が荒れやすい人は、肌も荒れやすい。

肌は内臓の鏡といわれますが、そもそも1つに繋がっているのですから、

胃腸が丈夫であれば、必然的に皮膚も丈夫になるわけ。

 

もう1つの理由は、ビタミン類、特にビタミンB群は腸内細菌が賄っています。

ビタミンってのは各種酵素の補酵素となっているので、

ビタミンの不足は直、肌に影響します。

 

たとえば、ナイアシン(ビタミンB3)はセラミド合成酵素の補酵素です。

ナイアシンが不足すれば、セラミドが不足するため、乾燥肌となります。

また、バリア機能も低下しますので、肌が荒れやすくなります。

 

たとえば、ビオチン(ビタミンB7)は脂肪酸合成、アミノ酸代謝などに関わり、

脂漏性湿疹を引き起こしたり、肌の抵抗性が著しく低下します。

 

逆に、ビタミン類をちゃんと摂取できていれば、問題はないんですけどね。

そのため、この試験でも肌に異常がない人の中に、過敏性腸症候群の人がいたわけで、

この人は食生活が健全だった可能性が高いです。

 

あとは、腸は第二の脳だといわれており、実際に脳内物質のいくつかが

産生されています。まあ、腸内細菌由来なんですが。

その辺も関わっているかもしれません。

 

極論、胃腸を健康にできれば、あなたの抱える肌の悩みはほぼ解決できます。

過言・・・でもないですよ?

 

 

【関連記事】

炎症性疾患にセラミドがよいらしい

内美人はやっぱり肌がきれい

<<<前              次>>>