二重盲検法

Double blind test

二重盲検法とは、片方に有効成分が入ったものを、もう片方は非有効成分が入ったものを

摂取させる際に、だれがどちらを飲んでいるのか分からなくして比較データをとる試験法。

 

たとえば、片方はグルコシルセラミドの入ったカプセルを、

もう片方はデキストリンだけのカプセルを摂取させるのですが、

飲んでる本人も、試験している人も、どっちを飲んでいるか

わからないようにして行う試験。

 

なぜ、わからなくするかというと、

プラセボ効果や観察者バイアスの影響を避けるためです。

 

プラセボ効果ってのは、まあ一種の思い込みで、

本来、効果がないものでも、あると思い込むと、

実際には効果がでてしまう・・・ってやつ。

 

どっちかわからなくすることで、どのくらいプラセボ効果がでているのか

はっきりします。

 

観察者バイアスは、まあやるからにはいい結果が出て欲しいと思うのが人間じゃないですか。

そのため、無意識かもしれませんが、評価を高くしてしまう可能性があるわけです。

その逆も然りで、偽物を飲んでいる人の数値を低く評価してしまう可能性もあるわけ。

 

それを防ぐためにも、観察者にもわからないようにして試験をするわけです。

 

 

試験期間は1ヶ月から長いと半年になるものもあります。

最終的に摂取区と非摂取区でデータを比較し、有意差があるかどうかを調べるわけです。

 

で、ふっと思ったわけですよ。

例えば、お肌により効果がある成分の試験だったとします。

 

自分は有効成分が入ったものを飲んでいると信じているわけで、

お肌が変化することを期待しちゃったりしてるわけですよ。

まあ、表面上は気にしないようにしてても、全く期待しないってことは

ないはずです。

 

で、実はそれは偽物だったとしたら、ちょっとかわいそうだよなーと。

とある成分の二重盲検比較試験なんですが、

こんなに差が・・・

もちろん、被験者には自分がどっちを飲んでいたかは知らされません。

 

まあ、非摂取2週間まで有意差はないんですけどね。

 

おもしろいもので、摂取3週間はプラセボでも同等の効果をあげているんですよね。

典型的なプラセボ効果ですが、ここまで顕著なのは珍しいです。

思い込みだけでも肌はキレイになるわけですよ。

 

まあ、1ヶ月もすると飽きというか、慣れてくるんでしょうね。

下降の一途をたどるわけです。

 

逆にちゃんと取ってる方は、飲まなくなってから効果がでてるってのも

面白いところです。

 

これは代謝が関わっており、肌の代謝は28日周期と言われています。

つまり、本来の効果がでるのは、1ヶ月後くらいになるわけ。

ぶっちゃけ、成分摂取区も最初の3週間はプラセボ効果であると言えるわけです。

 

何が言いたかったかというと、被験者の思考を極力排除しないと、

ちゃんとした結果がでないくらい、ヒトの思い込みの力ってのは

凄いってことですかね。

 

 

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