炎症は老化を早める

炎症は老化を加速させる

炎症とは?

炎症と呼ばれるものの症状は、発赤 、熱感 、腫脹、疼痛。

 

発赤 ・・・毛細血管透過性、細動脈の拡張により血流の増加が起きることで出現します。

この血流の増加が治癒に必要な物質供給と除去を活性化した結果です。

 

疼痛・・・ 当該部位に遊走した食細胞などが、キニン、プロスタグランジンなどの化学物質を放出、

これが痛み感覚の受容器を刺激し、これが感覚系を通じて中枢神経に伝えられることで生じます。

これにより、異常の生じたことを認知して防御治癒のための個体行動を促します。

まあ、痛いから動くことが億劫になるとか、そんな感じ。

 

発熱・・・ 炎症反応の発熱は、当該組織に湧出したマクロファージ、白血球が発熱物質を産生することで

引き起こされます。免疫細胞は体温の高いところで活性化しますので、それをサポートする目的です。

 

腫脹 ・・・ヒスタミン、キニン、ロイコトリエンなどの働きで毛細血管透過性が増すため、

当該部位に血流が増大し、通常血管内にとどまる物質も組織液に流出、結果、腫脹が生じます。

腫脹は活発な物質交換の場を提供することで、修復を促すわけです。

 

まあ、要するに、炎症は本来は体を治すための仕組みなんですわ。

これらの症状は急性炎症と呼ばれます。

喩えるなら、解体作業ってところかな。

新しい家を建てるには、まず更地にしないといけないって感じ。

 

もちろん、からだにとって必要な仕組みなわけですが、

ぶっちゃけ、炎症を抑えても治ります。

むしろ、抑えたほうが早く治ります。

 

また、炎症を放置すると、炎症は大病へとつながります。

たとえば、大腸炎は大腸がんに、肝炎は肝臓がんに。

 

炎症っていらなくね?

外部からの侵略者を排除する仕組みとして、なくてはならないものであるのは

間違いないんです。

 

間違いないのですが・・・

 

さらに、老化による炎症ってのがあります。

細胞は寿命があり、分裂できる回数に限りがあります。

これを管理しているのは染色体にあるテロメアなんですが、

だいたい60回前後の分裂で、分裂できなくなります。

 

分裂できなくなった細胞を老化細胞と呼びます。

 

で、この老化細胞は処理されるべきものなのですが、

いつまでも居座るやつがでてきます。

まあ、これも老化現象の1つです。

 

この老化細胞は炎症を促進する物質を放出し続けます。

おそらく、処理すべき細胞があることを伝えているためなのでしょう。

すぐに修復作用が働き、老化細胞を取り除ければ問題はないです。

 

しかしながら、加齢によって、速やかに処理が行われません。

結果、老化細胞はいつまでも居座り続け、炎症促進物質を垂れ流します。

で、症状はほとんどない、慢性炎症となります。

最近では隠れ炎症ともいわれます。

 

炎症はあくまで治そうとしている、体の防衛システムです。

慢性炎症はそれがちゃんと機能していないわけです。

さらに、炎症物質は修復機能を邪魔します。

 

解体作業と建築作業を同時に行うことはできません。

炎症部では、色々なメッセンジャー物質がでていますが、

まあ、もろもろ作るなって指示をだしているわけです。

 

慢性炎症部分は、新たに生合成する作業をするなとの

メッセージであふれているわけ。

まあ、要するに老化を促進するってなわけです。

 

 

個人的には、炎症ってのは、死へのプログラムの1つなんじゃないかと思っています。

生物は必ず死にます。

そのようにプログラムされているわけなんですよ。

 

細胞の寿命はテロメアで管理されています。

理論上は、テロメア―ゼでテロメアを再合成してやれば、

細胞は不死になれます。

しかし、不死性をもち、無限に増殖を繰り返す細胞はがん細胞と呼ばれ、

体を蝕みます。

 

こういった仕組みが何重にも張り巡らされており、

老い、そして死ぬように定められているわけ。

炎症もそういった仕組みの1つだとしか思えないんですよねー 

<<<前            次>>>