フラーレンにセラミド産生促進効果が!?

フラーレンで保湿力アップ?!

ビタミンC60バイオリサーチと東京工科大学 応用生物学部の共同研究にて、

フラーレンが肌のセラミドを増加させるとの発表をしたそうな。
(第35回日本美容皮膚科学会総会・学術大会にて)

 

シミ、シワ、たるみとマルチに効果があるとされるフラーレン。

セラミドも増やしてくれるなんて、なんて万能なんでしょうか。

 

研究方法は三次元培養表皮モデルを使用し、フラーレンの添加の有無による、

セラミド合成の鍵となる酵素(SPTLC2;セリンパルパルミトイルトランスフェラーゼ2)の

合成因子(mRNA)の発現量への影響を測定しました。

その結果、フラーレン添加によりSPTLC2の合成因子発現量が増加する傾向が認められました。

SPTはセラミドの初期合成過程で必要な酵素で、

パルミトイルCoA+セリンの合成を促します。

 

これがないとスフィンゴ脂質全般に影響するので、

この遺伝子を欠くと出産後すぐに死んでしまいます。

 

 

この実験では、セラミドが増えるのを見たわけではなく、

セラミド合成に関わる酵素SPTLC2のmRNAの量が増えたのが

確認されているわけです。

 

 

さらに三次元培養皮膚モデルを使用して、フラーレンの添加の有無による、

長鎖脂肪酸型セラミドの合成に必要となる酵素「セラミドシンターゼ2」

の合成因子(mRNA)の発現量への影響を測定しました。
その結果、フラーレン添加によりセラミドシンターゼ2の合成因子の発現量が増加する傾向が認められました。

セラミドシンターゼはジヒドロスフィンゴシンをセラミドに変える酵素で、

長鎖脂肪酸にする工程に入る前段階の酵素です。

 

そのあとELOVLファミリーによって、脂肪酸の伸長されていきます。

 

 

正直にいえば、かなりまどろっこしいです。

まずはセラミドが増えたかどうかを見て、

そのメカニズムの解析として、何の酵素が活性かして、

どの遺伝子の発現が促進されるかを見るってのが手順だと思うんですよ。

 

あくまでこの実験でいえるのは、セラミド合成に関わる遺伝子が

フラーレンによって活性化されるので、セラミド合成を促進するかも・・・

ってところなんですよね。

 

セラミドに関わる遺伝子は多岐にわたっており、

それらすべてが活性化されていれば、セラミドの合成を促進すると

言っても間違いないのですが、現段階ではなんとも。

 

まあ、フラーレンがセラミドになんらかの良い影響があるってのは

間違いではないんですがね。

 

 

マルチにエイジング効果のあるフラーレンですが、

そのすべては抗酸化作用によるもので、直接的ではなく、

非常に穏やかな効果になります。

 

おそらく、セラミドの合成云々も、

活性酸素を無毒化し、炎症反応が抑えられれば、

自然とセラミドの合成量もあがると推測されます。

 

もちろん、劇的な効果は期待できませんが、

化粧品の効果を底上げしてくれるって感じになると思います。

 

 

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