三フッ化イソプロピルオキソプロピルアミノカルボニルピロリジンカルボニルメチルプロピルアミノカルボニルベンゾイルアミノ酢酸 ナトリウム
日本で初のシワに対して医薬部外品を取得した成分がニールワンと呼ばれるもので、
表示名は三フッ化イソプロピルオキソプロピルアミノカルボニルピロリジンカルボニルメチルプロピルアミノカルボニルベンゾイルアミノ酢酸ナトリウム
これを配合した商品は発売1ヶ月で25万本、36億円の売り上げを上げたとか。
まあ、なんとも羨ましい限りですな。
売り上げ目標が100億とかいっていたので、このペースなら楽勝で超えそうですね。
この成分の作用は、好中球エラスターゼに結合し、その活性を阻害することで、
エラスチンの分解を防ぐものです。
好中球というのは、白血球の一種で外部からの侵略者を退治する役割を担っています。
脊髄で作られ、1日に1000億個程度作られるとか。
感染症で急速に増えますので、あまりに高い数値だとガンが疑われます。
まあ、それは置いといて、免疫反応は炎症反応を引き起こし、
その過程で各種分解酵素が分泌されます。
好中球エタスターゼもその1つで、エラスチンを分解します。
![](https://image.jimcdn.com/app/cms/image/transf/none/path/s3b67276d0eccefb9/image/ife2ed7bada2505a8/version/1487160086/image.jpg)
エラスチンはコラーゲンの立体構造を支えるもので、
これがないとコラーゲンが構造を支えることができず、
沈み込んでしまいます。
まあ、これがシワの原因ってわけです。
で、この長い成分は好中球由来のエラスターゼにのみ、
特異的に結合して、仕事をさせないようにします。
ここまでだと、シワの予防にはなりそうですが、どうやって改善するのか?
と疑問に思うかもしれません。
好中球は年中エラスターゼを出しているわけではなく、
外的刺激、ストレスによって放出されまし。
どこかのメーカーがいっていた「隠れ炎症」というやつが、
まあ、毎日起きているわけです。
で、ある程度壊れても、ちゃんと修復すればプラスマイナスゼロになります。
若いころはこのバランスがちゃんと保たれているのですが、
年齢を重ねるごとに、このバランスが保てなくなります。
壊れても治すのに時間がかかる。
その積み重ねがシワとなるわけです。
で、これによって普段の肌ダメージを軽減することで、
肌の自然治癒力によって、徐々に回復させるってものなわけです。
当然ではありますが、それなりに時間がかかります。
![](https://image.jimcdn.com/app/cms/image/transf/none/path/s3b67276d0eccefb9/image/id78b3bc3ea792782/version/1487160889/image.png)
ヒト試験の結果ではありますが、公開されているデータだと、
12週間、つまり3ヶ月ではあまり目に見えての変化はでていません。
顕著な差がでるのは半年後となっています。
まあ、さすがにこれは・・・
ってことで、追加試験をしています。
![](https://image.jimcdn.com/app/cms/image/transf/none/path/s3b67276d0eccefb9/image/ie443cbaa208e7c57/version/1487161028/image.png)
今度は3ヶ月で有意差が出ている結果に。
なぜ、1回目と2回目でこのような差が?と思うかもしれませんが、
ヒト試験はお金がかかります。これだけの試験ですから1000万は軽く超えてるでしょう。
2回目を行うこと自体、不本意なはずですが、
その2回目を失敗するわけにはいかないのです。
当然、よい結果がでるように、細心の注意を払うわけです。
成分の性質上、ダメージを抑えても、回復が遅ければ、
効果がでないわけです。
であれば、回復力を上げるような指導しておけばよいわけ。
被験者だって、結果が出たほうが望ましいわけで、
そういう指導があれば、それに従うのは道理。
ちゃんと寝ろとか、食事のバランスを考えろとか、
適度に運動しろだとか・・・
何かはわかりませんが、そういった細やかな干渉があったのだと。
(悪いことではないです。普通のことです)
逆に何もせずのここまでのバラツキがでるようなら、
実験系に問題ありですわ。
つまり、何が言いたいかというと、それなりに時間がかかるってのと、
それなりに努力が必要ですよーってこと。
また、同じようにダメージ軽減系のものは、同じような効果が期待できるって話です。
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